過去ログ - 【艦これ】五十鈴の調子が悪いようです【SS】
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2013/11/11(月) 20:34:51.21 ID:foU1KJOC0
連合艦隊旗艦の魂と戦力を受け継ぎし艦娘長門は、すぐさま次弾の発射態勢をとる。
だが、ル級とていつまでもその動きを止めているものではない。
『――ッ!』
咆哮を上げながらも高速機動を開始し、次弾を回避することに成功する。
着弾による衝撃波でクレーターの如く陥没する海面を尻目に、残る全砲門が長門に向けられた。
以下略
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2013/11/11(月) 20:35:17.77 ID:foU1KJOC0
隣の執務机から、こんなところまで腐れ縁の親友がそうなぐさめてくれる。
その時、こん、こん、とノックする音と共に、執務室の扉が開かれた。
「コーヒーを淹れてきましたよ……長門さんはブラックで、陸奥さんはミルクと砂糖たっぷりのやつでしたよね?」
湯気が立つコーヒーを運んできてくれたのは、今は長門を名乗る彼女に代わり、五十鈴の艤装に選ばれたツインテールの少女である。
「あ、この写真。先代の赤城さんが引退した時のやつですよね?」
以下略
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2013/11/11(月) 20:35:47.41 ID:foU1KJOC0
了
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[sage]
2013/11/11(月) 21:12:14.80 ID:Cunl5dq70
読みずれぇ
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2013/11/11(月) 21:24:17.84 ID:foU1KJOC0
読みづらくてごめん。
もう一本あるんで、そちらで改善しますです。
というわけで、投下していくよ(別スレは立てられなかった)。
タイトル『貧鈍』
以下略
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2013/11/11(月) 21:25:22.91 ID:foU1KJOC0
春島、という通称にはそぐわぬ暑さであった。
気温は27度ほどであるが、まとわりつく湿気がそれを何倍にも感じさせる。
しかし、町外れにあるその茶屋を訪れた娘は汗ひとつかかず、むしろ涼しげな雰囲気さえ漂わせているのであった。
年頃としては、20代にさしかかったばかりというところである。
腰の辺りまで伸ばした黒髪は三つ編みにされ、チュークドレスと呼ばれるこの辺り伝統の民族衣装に身を包んでいた。厚めのレンズをつけた眼鏡に阻まれ、顔立ちはよく分からない。
以下略
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2013/11/11(月) 21:25:57.38 ID:foU1KJOC0
だが、それを抜きにしても、昼間のこんな時間帯に、島で数台しか営業していないタクシーが、先ほど店の前を横切っていったジープを追うように走って行くというのは、
「そうそうありえることではない……」
のである。しかも、島の中央部へ向かうこの先には人気のない山林が広がるばかりなのだ。
こうなると、娘の行動は早い。
「おばさん、お勘定ここに置いておきますね!」
以下略
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2013/11/11(月) 21:26:24.26 ID:foU1KJOC0
ひと息に間を詰めると、男のひ腹へ当て身を喰らわせていたのである。
「むうん……」
がくりと倒れる男の腕からさっと少女を奪い取り、さるぐつわを解いてやった。
すると少女は、母親にすがりつく子供そのままに赤城の胸へ顔を押しつけ、盛大に泣き出したのである。
「よし、よし……もう心配はいりませんからね」
以下略
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2013/11/11(月) 21:26:53.31 ID:foU1KJOC0
艦娘と妖精とは感覚がリンクしており、多くの言葉を交わす必要はない。
ただそれだけの短いやりとりを終え、赤城は空中に向けて艦載機を放ったのである。
すると、搭乗した妖精がベテランパイロットも顔負けの操縦テクニックを披露して巧みに風を捕まえ、見る見る内に高空へ昇っていくではないか。
その速度は、明らかに複葉機のそれではない。
これこそが艦娘と現代兵器の間にある絶対的な壁であり、艦娘の艦載機はマッハ10を軽々と越えたスピードで、ミサイル以上の威力を持った搭載火器を放つことができるのだ。
以下略
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2013/11/11(月) 21:27:24.35 ID:foU1KJOC0
赤城と加賀は艦娘として覚醒する前、同じ道場で弓術を学んでいた仲であり、道場内では「双龍」だとか「龍虎」だとか呼ばれていたものだ。
そんな付き合いの長い二人であるから、相手の考えはすぐに分かるのである。
「吹雪さん、この子の服装をよく見てください……」
「え? いや、かわいいな〜と思いますけど」
「……トラックではそうそう手に入らない上等な品です。つまり、この子の実家はかなり裕福な家庭で、しかもこの子を見るに日系人であるということですね。それが現地で不可解なトラブルに巻き込まれたということは……?」
以下略
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2013/11/11(月) 21:27:58.22 ID:foU1KJOC0
あの時――。
赤城は艦載機型の艤装を飛ばすと同時に、気絶から覚めた男たちを空から追跡するよう命じていたのだ。
狙いは的中し、気絶から覚めた男たちはそのことに気づかぬまま、この茶屋とは山を挟んで反対側にある船着き場へ向かい、日に二本の定期船で秋島へと渡って行ったのである。
定期船を降りた男たちが向かったのは、秋島の中心部に存在する洋風の屋敷であった。
そこまで突き止めれば、あとは簡単だ。
以下略
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