過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 05:59:10.00 ID:BVhJwVsq0
プログラム本部である中学校から見て東の方にあるE=08エリアの茂みの中を、1人の少女がおぼつかない足取りで進んでいた。
どうしよう… 死にたくないよ…
殺されちゃう… 皆あたしを殺しに来るんだ…っ

青ざめながら歩いているのは、肩まで伸びた髪を明るい茶色に染め、童顔を誤魔化す為に化粧を施している中原朝子(女子13番)。
以下略



946:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:01:03.48 ID:BVhJwVsq0
好きな言葉は“下剋上”。
戦国時代のように上の人間を切り捨ててしまいそうである意味恐ろしいが、見方を変えれば向上心が強いという事だ。

『オレ、絶対上に立って有名になってやる』

以下略



947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:03:15.00 ID:BVhJwVsq0
濱中薫(女子14番)は溢れてくる涙を拭う事もせず、ただひたすら走り続けていた。
何処に行けばいいのかはわからない、しかしじっとしていられなかった。
幼馴染である姫川奈都希(女子15番)の亡骸が、どこかに転がっている。
それを放っておくことなどできない。
せめて、お別れを言いたい。
以下略



948:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:03:41.45 ID:BVhJwVsq0
栗原佑「よっ!ここまで読んでくれてサンキュ!初っ端に死んじまった栗原佑だ!」

濱中薫「どうもー!終盤戦に入るまでに退場しちゃった濱中薫だよぉ!」

佑「なんだ、濱中が座談会メンバーの中の犠牲者第2号か!」
以下略



949:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:06:37.23 ID:BVhJwVsq0
『グッモーニン!! 元気に殺し合ってくれてるかな!?早速、戦場に散ったお友達を言っていくぞ!!準備はいいかい!?』相変わらず耳障りな声。だけど、聞かなくては。設楽海斗(男子10番)は、祈るような気持ちで放送に耳を傾けている。1時間半ほど前まで一緒にいた、曽根崎凪紗(女子10番)の安否を確認しなくてはいけない。怪我をした自分を逃がす為に囮になった凪紗。大丈夫だろうか?怪我でもしていたら…もしも、万が一、命を落としていたら…ペンを持つ手に力が入る。栗原佑(男子7番)と不破千尋(男子17番)、2人に凪紗の事を任されていたのに、足を引っ張ってしまい、さらに凪紗を危険な目に合わせてしまった。どうか、どうか無事で――『それでは、いざ!!女子14番、濱中薫さん!!女子4番、桐島伊吹さん!!女子7番、坂本陽子さん!!女子9番、駿河透子さん!!男子15番、新島恒彰君!!ちょーっと元気がないぞ、女の子諸君!!』よかった…生きてる…放送で呼ばれた5人には悪いが、安心した。凪紗は無事だ。あの“戦闘実験体”だとかいう結城緋鶴(女子19番)に負けなかった、流石だ。『続いて禁止エリアの発表だ!!7時からG=07エリア、あー…住宅地だぞっ!!9時からE=06エリア、小学校がある所なっ!!11時からJ=01エリア、商店街の端だぞ、わかったかい諸君!!残りも半分を切ったし、頑張ろうなぁ!!』ブツッと放送が切れた。海斗は大きく息を吐き、ペンの蓋を閉じた。海斗は自分の左手小指にはめられているシルバーの指輪に手を触れた。去年の誕生日に凪紗がくれた。本人は『安物でごめんね』と言っていたけれど、海斗にとってこれ以上価値のある物はない。肌身離さず身に付けている(サッカーをしている時は壊れると困るので外していたが)。凪紗、無理してないだろうか…時々突拍子もない事をしでかすからな、アイツは――海斗が凪紗や佑と交流を持ち始めたのは、中学1年生の頃だ。その頃の海斗は今と変わらず無愛想で寡黙だったが、素行は全く悪くなかった。授業や学校行事などには真面目に取り組んでいたし、かなり高い割合を占める素行の悪い不良たちとの関わりなど全くなかった。凪紗や佑とは同じクラスだったが(千尋もだが、その頃の千尋は普通の優等生だった)、関わりなどなかったし、関係など持ちたくもなかった。
大好きなサッカーをし続けて、将来はサッカーで飯を食っていきたいと思っていた。
地域のクラブサッカーに所属していた海斗は、言葉を交わす事は少ないながらも、頼れるゴールキーパーとして、監督やチームメイトからは厚い信頼を得ていた。

それが崩れたのが、中学1年生になって間もない頃。
以下略



950:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:08:26.41 ID:BVhJwVsq0
千尋の足は速く、薫は引きずられるようにして走った。

ちーちゃん…息、切れてる…
薫を追っかけて来てくれたんだ…あんなに酷い事言ったのに…
今も、1人で逃げればより確実なのに…
以下略



951:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:12:16.72 ID:BVhJwVsq0
B=08エリアの北東に位置する農協の建物の中の1階。事務室らしき部屋の中に、稲田藤馬(男子4番)は持っていたポリタンクを置いた。「これで、全部だよな、穂高」「そーだな…」斎藤穂高(男子8番)は浮かない顔をして、溜息を吐いた。藤馬も無理に作った笑みを引っ込めた。2人の間に重苦しい空気が流れる。「…不破は?」そう尋ねるまでに、かなりの時間がかかった。穂高はちらっと扉の方に目を遣った。「薫の、ところ」「…そっか…」場所の移動には理由があった。藤馬は1人でデパートの留守を預かっていた。最初は穂高もいたが、銃声が聞こえたので、穂高が様子を見てくると出て行った。帰ってきた3人の姿に、言葉を失った。穂高が入り口の扉を開き、そこに不破千尋(男子17番)と濱中薫(女子14番)が入ってきた。正確には、片腕がなくなった薫を、千尋が負ぶっていた。薫は腹に穴を開けて事切れていて、千尋は放心状態だった。教室で仲間の栗原佑(男子7番)が殺された時の状態に似ていた。薫が、死んでる――藤馬はその場にへたり込んだ。溢れてきた涙を拭うことなく、千尋が床にそっと置いた薫の変わり果てた姿を凝視した。あの人懐こい笑顔はもう見る事ができないし、あの可愛らしい声も聞く事ができない。千尋を信じたあの真剣な眼差しも、姫川奈都希(女子15番)を失った時に見せた涙も、もう見る事ができない。ほんの30分ほど前には、目の前で動いていたのに…『薫、やめろっ!!』、あんな怒ったのが、オレと薫の最後の会話かよ…藤馬は頭を抱えた。最悪な別れだ、仲間だったのに。「…藤馬」穂高に肩を叩かれ、藤馬は涙を手の甲で乱暴に拭った。「移動しよう、B=08エリアの農協。荷物全部運ぶから、手伝って」地図を見せられ、藤馬は首を傾げた。「何でまた…」穂高は薫の方を一瞥し、地図を折りたたんだ。
「薫は、委員長…浅原に殺られたんだ。
 不破が言うには、委員長は多分傷を負って逃げたんだ。でも、もしかしたら薫からこの場所がバレたかもしれない。何か知らないけど委員長は不破を憎んでるんだと。ここが襲われる可能性が高いから、移動するんだ」委員長――浅原誠(男子2番)は、苦手だ。真面目で冷淡、バンドを組んでる穂高たちを、いつも白い目で見ていた。『学生の本分は勉強なのに、うるさい音楽なんてやってたら将来不安だよ』とか言われた記憶がある。うるせぇよ、オレらの将来なんか心配してくれなくたって結構だっての。…いや、そんな事は今は置いといて。「不破、委員長に何かしたのか?」「別に何も」千尋は顔をこちらに向けず、弾の切れたウージー9ミリサブマシンガンのマガジンを詰め替えてそれを肩に掛け、薫の身体を再び背負った。「むしろオレがされた側だ。オレだって憎んでるよ、あの時から、ずっと」妙に抑揚のない声に、少しぞっとした。『オレがされた側』である事、それは第三者だった藤馬には詳しくはわからない事だったが、あの時の事は少しは憶えている。千尋が見せた悔しげな顔と、それを見た誠の歪んだ笑顔。あと知っている事といえば、千尋の親が呼び出しされていた事と、その事件をきっかけに千尋の身なりと交友関係が変わった事くらいだろうか。「…薫、連れて行くのか?」全員分の荷物を肩に掛けてややふらふらしながら立っていた穂高が訊いた。千尋は無言のまま、先にデパートを出て行った。薫を独りにしたくなかったのか。作戦の行く末を見ていてほしかったのか。生憎読心術など身に付けていないので、千尋の考えはわからなかった。そして数回の往復の末、全ての必要な物は移動し終えた。藤馬は穂高と共に、千尋がいる部屋をそっと覗いた。仮眠室に置いてあった布団を敷き、その上に薫の亡骸が横たわっている。千尋はその布団から少し離れた椅子に腰掛け、どこかをぼーっと見ていた。穂高が言うには、穂高が千尋たちのもとに着いた時からずっとこんな調子だという。冷たくなった薫を抱き、呆然としていたらしい。声を掛けてもしばらく気付いてくれず、やっと気付いた時にはゆっくりと穂高の方を見て、一言だけ言葉を発した。「助けられなかった」、と。穂高は何も言うことができず、しばらく沈黙の時間が続いた後に、ぽつりぽつりとその場で起こった出来事を話したらしい。「普段の不破とあまりに違ってて、言葉が出なかった」穂高がそう言ったが、それは藤馬にもとてもよくわかる。
今、千尋に掛ける言葉が見つからない。
「……け、……つけ……」千尋が何か言葉を発しているようだった。目を閉じ、口を小さく動かしていた。藤馬は穂高と顔を見合わせ、その言葉を聞き取った。
以下略



952:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:13:43.49 ID:BVhJwVsq0
「くそ…ッ」

E=06エリアの小学校では、薫を殺害した委員長――浅原誠が苦痛に顔を歪めながら、保健室で治療道具を漁っていた。

千尋が乱射したマシンガンの弾丸の嵐は、確実に誠にダメージを与えていた。
以下略



953:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:14:13.17 ID:BVhJwVsq0
プログラム本部である中学校の東側にあたるD=05エリアを、桐島伊吹(女子4番)は歩いていた。
…あそこに、あの政府の犬たちがいるってわけね…

伊吹は冷ややかな目で、木々から僅かに覗く中学校を見た。
そこから目をそらし、左手で後ろで1つに束ねられたパーマを当てた栗色の髪を、無意識のうちに触れた。
以下略



954:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:15:08.22 ID:BVhJwVsq0
伊吹の殺害方法は騙まし討ちだ。
玲奈も彰臣も淳も、皆相手を油断させて殺害する方法を取った。
別にその方法に執着しているわけではないが、最初に玲奈を殺害した時に、あまりにも上手くいってしまったため、少し楽しくて気に入った。

次も誰かに会ったら演技をしようか…
以下略



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