1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/20(水) 20:02:21.38 ID:QNqxVs210
二人はまたほっと小さな息[いき]をしました。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:05:00.34 ID:QNqxVs210
このssはB'zのSIGNALを元にしています。
読む前に聞いていただけると少しは楽しめるかもしれません。
……youtube? 僕の家にCDあるから借りてく?
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:05:49.08 ID:QNqxVs210
――――――――。
轟音にも似た声援と拍手の中、臆する事無く彼女はステージに立っている。
何万人もの視線を一身に受けて静かに笑みを浮かべている。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:06:32.77 ID:QNqxVs210
この日、アイドル秋月律子は引退した。
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2013/11/20(水) 20:08:04.96 ID:QNqxVs210
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ステージでこもった熱量を冷ますように、夜風に当たりながら外を歩く。
潮風と月明かりが二人を優しく包んでいた。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:08:44.74 ID:QNqxVs210
この日、アイドルとプロデューサーの一線を超えた。
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2013/11/20(水) 20:09:35.29 ID:QNqxVs210
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引退後すぐに彼女はユニットのプロデュースに入り、俺もまたソロで4人を平行してプロデュースする事になった。
多忙な日々が続きそうな事は分かっていた。だから一つの提案をした。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:10:28.26 ID:QNqxVs210
だいたい、3ヶ月前の話。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:11:19.01 ID:QNqxVs210
…………。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:12:00.45 ID:QNqxVs210
外はすっかり暗くなり、格闘していた書類の山は平地と言ってもいいくらいに減っていた。
腹の虫が鳴き出しそうな午後7時。
律子「プロデューサー、まだ帰りませんか?」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:12:42.45 ID:QNqxVs210
¶「あー、俺も早く真美をトップアイドルにし痛た! 大人が中学生に手をあげたら犯罪になるんですよ!」
P「中学生に手をつけようとしてる大人が何を言うか」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:13:58.85 ID:QNqxVs210
常夜灯の頼りない明りで照らされた階段を上る。
ドアを開けると、屋上は街明りが届かずに暗闇が溜まっていた。
暗闇に二つ蛍日が灯る。不完全燃焼した煙を肺に流し込む。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:15:14.87 ID:QNqxVs210
¶「戻りますか」
P「そうだな」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:16:02.55 ID:QNqxVs210
P「よ、お疲れ様」
響『おつかれさまだぞ!』
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:17:02.89 ID:QNqxVs210
…………。
律子「待ってたんですよ」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:17:43.30 ID:QNqxVs210
…………。
スタンドライトの電源を切ると、今日一日という日が落ちる。
風呂上りで心地よく温まった体が毛布に包まれて、意識が落ちていく。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:18:36.56 ID:QNqxVs210
…………。
寝ぼけた頭が揺り動かされる。肩を掴まれてゆらゆらと。
働いていない脳みそに起床をうながす声が届く。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:20:07.82 ID:QNqxVs210
木目調のテーブルの上には軽くつまめるような朝食が並んでいる。
カップを手に取り、コーヒーをすする。体が目覚めていくように苦みが染みわたる。
なんとなくつけられたテレビの中では誰かが胴上げされていた。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:20:55.10 ID:QNqxVs210
…………。
石焼き芋売りの声が、開け放ってある窓から小さく聞こえた。
秋の昼過ぎ、手持ち無沙汰で眠くなる時間。トラブルも火急の案件もないのでのんびりとした時間が流れている。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:21:29.41 ID:QNqxVs210
雑多になりつつあるデスクにカラフルな封筒が置かれる。
ニコニコと、開けて開けてと書いてある笑顔を見ると姉弟だなと思う。
P「開けていい?」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/20(水) 20:22:18.69 ID:QNqxVs210
P「ってなわけで頼む」
¶「いやっす」
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