7:1[saga]
2013/12/08(日) 09:34:22.45 ID:OWwQizcX0
・ ・ ・ ・ ・
「……うん、悪くないわ。 少し香辛料が効きすぎかもしれないけど」
8:1[saga]
2013/12/08(日) 09:34:52.75 ID:OWwQizcX0
「……あっ、ありがとうございます!!!」
エプロンのなびく音が背中から聞こえてくる。
きっとまた敬虔にも、私に向かって頭を下げているんでしょうね。
9:1[saga]
2013/12/08(日) 09:35:20.48 ID:OWwQizcX0
「良いのよ。 別に兄様達じゃないんだから」
普通は、袖を使用人に通させたりするんだったわね。
改めて袖に腕を通す。 ミンクの手触りがとても心地良い。
10:1[saga]
2013/12/08(日) 09:35:52.27 ID:OWwQizcX0
伊織様―――。
11:1[saga]
2013/12/08(日) 09:36:25.57 ID:OWwQizcX0
そう、私が「伊織お嬢様」と言われなくなってもう7年になる。
18まではその呼び方が定着していたが、それを越えるとすぐに「伊織様」になった。
私ももう25になる。
12:1[saga]
2013/12/08(日) 09:36:57.22 ID:OWwQizcX0
暖かく、外気と隔絶された室内を出ると、肌を刺すような寒気が頬を撫ぜる。
13:1[saga]
2013/12/08(日) 09:37:33.53 ID:OWwQizcX0
・ ・ ・ ・ ・
デコボコした道にヒールを持っていかれ、イライラする事数回。
曲がり角すぐにある、カフェテラスのある喫茶店で、若い男女が口喧嘩をしていた。
周りの客は辟易している者、心配そうに見守る者、そもそも気にしていない者と、なんとまぁ綺麗に分かれていた。
14:1[saga]
2013/12/08(日) 09:38:18.22 ID:OWwQizcX0
ライブの後、疲労が原因で体調を崩してしまった時のこと。
その日も仕事があり、無理を推して家から出ようとした瞬間、目の前に"アイツ"が居た。
新堂から連絡を受けてここまで駆けつけた、という説明を私が質問で投げかける前に答えられ、
私がその説明を理解するよりも早く抱きかかえられ、ベッドへと運ばれた。
15:1[saga]
2013/12/08(日) 09:39:16.05 ID:OWwQizcX0
もしかして、もしかしてアンタは、私の事を想って怒ってくれているの。
私の為に泣きそうになって苦しそうになって、私の為に悲しそうになってくれているの。
16:1[saga]
2013/12/08(日) 09:39:52.04 ID:OWwQizcX0
・ ・ ・ ・ ・
そろそろ脹脛が悲鳴を上げ始め、やっぱり車を頼めば良かったか、と後悔する事幾何回。
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