過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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20: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:54:14.78 ID:3XmGIBxHo
 ほどなくして。

 この光景から最も早く我に帰った別の生徒が、「良かったらこの席どうぞ」とナース服に声をかけ、ようやく事態は一端の収拾を見せた。と思う。
 どうせなら放っておいてほしかった。そして埃でも食べて地元に帰ってくれれば良かったのに。

以下略



21: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:54:54.35 ID:3XmGIBxHo

「んー……」

 やはり元よりカレーうどんは好きではないのかもしれない。一本一本ゆっくりと啜るナース服。

以下略



22: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:56:09.65 ID:3XmGIBxHo

 カレーうどんにとろろご飯が入っているのは普通じゃないのか。

「いやぁ、初めて聞いたし初めて見たわぁ」

以下略



23: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:56:57.10 ID:3XmGIBxHo

 しかしこいつも他人をあまり気にしないらしい。結局私の考えは通じず、帰るどころか周りの視線などお構いなしに話しかけてくる。
 そういう意味では似ていなくもないだろうが、似ているようで全然違う。
 こいつが気にしないのは他人の目線であって、他人自体は気にしている。
 でなければわざわざ新聞の記事を見て私のところになど来ないだろう。
以下略



24: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:57:36.22 ID:3XmGIBxHo

「対木さん」

 今日はよく話しかけられる日だ。
 厄日だったか。
以下略



25: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:58:06.80 ID:3XmGIBxHo

 しかしこいつ、クラスメイトだから名前を知っていたのか。実に当たり前の理由だ。
 まぁ私は相手の名前を知らないけれど。
 というか、クラスで知っている名前がない。
 一、二ヶ月前の入学式での自己紹介なんてまるで覚えていない。
以下略



26: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:58:38.47 ID:3XmGIBxHo

 それに、この引っ込み思案な臆病系草食女子、どうせ同じクラスと言っても、私と正反対の廊下側一番前とかなんだろう。
 つながりなんて全くないんだから、同じクラスと言うだけで気軽に呼び止められても面倒だな。

「一応、隣の席なんだけどな……」
以下略



27: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:59:06.45 ID:3XmGIBxHo

「そういえば、対木さんと話したの初めてかも」

 そうだろう。

以下略



28: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 04:59:36.24 ID:3XmGIBxHo

「酷い……」

 うるさいな。
 うじうじと眉の根を寄せながら、上目遣いで見られる。
以下略



29: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:00:05.83 ID:3XmGIBxHo

「あ」

 一年の廊下を歩いている途中、突然クラスメイトが思い出したかのように声を出した。
 一瞬、あのナース服でも現れたのかと思って警戒したが、どうやらそうではないらしい。
以下略



30: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:00:39.14 ID:3XmGIBxHo

 まぁこいつが本意でない委員長の仕事を押し付けられようが、それは私の知ったことではない。
 やりたくないのであれば押し付けられようが拒否すればいいわけで、それを最終的に引き受けたのはこいつ自身の判断であり責任だ。

「そうなんだけど……」
以下略



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