過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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31: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:01:07.54 ID:3XmGIBxHo

 ここが女子高ではなく共学だとしたら空きっぱなしの隣の空き教室で着替えるのだろうけれど、同じ女子しかいないのならば別段普段の教室で着替えても問題はない。

 溜息を吐きながら、嫌々体操着に着替える。
 なんだってマラソンなんてしなくてはならないのだ。
以下略



32: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:01:36.09 ID:3XmGIBxHo

 着替え終わり、教室を出る。青いプラスチックのキーホルダーがついた鍵をぷらぷらさせながら委員長が待っていた。
 プラスチックには私のクラスである『1-C』と書かれた紙が入っている。

「急がないと、もう本鈴が鳴っちゃうよ」
以下略



33: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:02:05.91 ID:3XmGIBxHo

 結局鍵を体操ズボンの左ポケットにしまい、じめじめと情けない表情を浮かべる委員長と共にマラソンをすることになった。

 先ほども言ったとおり、もうこいつが私についてくる必要はないわけで、というか私がこいつをついてこさせる理由がないわけで。
 にも拘わらず私が未だにこいつと共に走っている理由といえば、私側からすればまぁ、一つしかないわけだけれど。
以下略



34: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:02:35.07 ID:3XmGIBxHo

「地学部、楽しいんだよ?」

 知らねぇよ。

以下略



35: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:03:02.53 ID:3XmGIBxHo

「対木さんには麻雀があるから、誘っても意味なかったね」
「……」

 私のあの大会での優勝の余波がこんなところにも。
以下略



36: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:04:03.39 ID:3XmGIBxHo

「ご、ごめんね」

 謝るくらいなら最初から言うな。

以下略



37: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:04:38.29 ID:3XmGIBxHo

 駐輪場をぐるっと周り、最北部をゆっくりと走る。
 この日陰を抜ければ再び本校舎の近くで、校門やロータリーが見える。あとは良く分からない旧い木造校舎だったり小さい池だったりと、まぁ風情があるといえばそういえなくもない場所に差し掛かることになる。

「ちょっと言い過ぎなんちゃう?」
以下略



38: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:05:05.56 ID:3XmGIBxHo

「対木さん、大丈夫?」
「生きてるよ……」

 苦しかったマラソンがやっと終わった。
以下略



39: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:05:38.89 ID:3XmGIBxHo

 残った僅かな体力で汗を拭いた私は、今度こそ力尽きて机に突っ伏した。
 窓際、というか、窓側最後尾で体操服のまま頭にタオルを掛け死んだように眠る私がいかに限界かを察してくれたのだろう。古文の教師に起こされることはなかった。
 あるいは起きる様に言われたけれど爆睡していて、諦められたという可能性も決して低くはないが……。

以下略



40: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:06:07.45 ID:3XmGIBxHo

 ──夢の中にいる、とすぐに気付いた。

 夢とは記憶の整理だという話をどこかで聞いたことがある。あるいは、本で読んだ事がある。
 今まで体験したこと、経験したことを脳がパンクしないように、整理整頓しているとかなんとか。
以下略



41: ◆cvvZKri7SI[saga sage]
2013/12/11(水) 05:06:36.31 ID:3XmGIBxHo

 牌が打たれる音が何度か続いた後、それが止まる。
 見るまでもない。私が和了ったのだ。
 そして再び、次の局が始まる。
 私が和了り、局が始まる。
以下略



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