過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争」
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◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:44:12.02 ID:3XmGIBxHo
もしかしたら私は、彼女の事を語りたくないのかもしれない。
何しろ彼女はなんと言うか、まぁ、あれだ。有体に言って、変わっていた。変人と言う奴だ。
そのせいで、思わず無意識のうちに語ることを避けようとしていたのかもしれない。
以下略
10
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:47:31.91 ID:3XmGIBxHo
もことは、私の名前だ。対木もこ。高校一年生。十月一日生まれ、身長百……四十、くらい。
嘘ではない。
学校が私服での通学を認めているので、周りに漏れず私も私服だ。
以下略
11
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:48:06.35 ID:3XmGIBxHo
ナース服である。おそらくは。多分。
多くない私の知識をフル活用しても、どこをどう見てもどう考えても、彼女の上半身はナース服にしか見えなかった。
以下略
12
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:49:48.01 ID:3XmGIBxHo
「もこちゃんおったぁ」
思案していたせいで、目の前にナース服が、ああいやもとい、彼女がいたことに気がつかなかった。
以下略
13
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:50:19.62 ID:3XmGIBxHo
ざわつく教室の目線が、私とナース服に集まり始めた。
時刻は昼休み。狙ったのかというほどに、時間はまだある。
それまでこいつをここに置いておいていいのだろうか。
もう既に視線を集めてしまっている時点で、何かと失敗しているような気もしたけれど、それでも今ここで教室を出て行ってしまっては、こいつと知り合いだという事にされてしまうのではないか。
以下略
14
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:50:48.36 ID:3XmGIBxHo
「もこちゃん、何を怒っとるん?」
なんでもねぇよ。さっさと用件を言ってくれ。
……、思わずキャラが乱れてしまった。いけない。
以下略
15
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:51:24.48 ID:3XmGIBxHo
……。
……、あぁ。分かった。こいつが何を言いたいのか。何の為にここまできたのか。
新聞を見たという事は、それはつまり。
以下略
16
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:51:55.77 ID:3XmGIBxHo
「はぇ〜」
学食はそれなりに混雑している。昼休み開始の十分ほどをこいつに費やしたロスタイムはやはり少なくない。
食堂に入った瞬間、やたらに自分に目線が集まるのを感じ、次いでそれが自分ではなく、後ろのナース服へのものだということに気がついた。
以下略
17
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:52:23.84 ID:3XmGIBxHo
ごそごそとナース服のポケットから財布を取り出し(ナース服にポケットがついていることを今初めて知った)、硬貨を取り出そうとするのを制する。
「んぇ?」
以下略
18
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:53:04.15 ID:3XmGIBxHo
「……えぇ、そんなぁ」
ようやく私の意図を察したらしく、情けない声を出しながら情けない表情を浮かべた。
わざわざ大阪くんだりから来たのに、カレーうどんを食べて帰るとかどんな罰ゲームなんだろうか。まぁ、私の知ったことではないけれど。呼んでもないのに来たほうが悪い。
以下略
19
:
◆cvvZKri7SI
[saga sage]
2013/12/11(水) 04:53:36.45 ID:3XmGIBxHo
正確に言えば上履きで足を踏んだので、ぶん殴るぞではなく、踏みにじるぞが正解だったかも知れない。
まぁそんなのはどちらでもいいけれど。
「痛ぁい」
以下略
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