6: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:48:11.51 ID:73ir32Ew0
「ねぇねぇ美穂ちゃん! 今日って忙しかったりする?」
「え?」
さっきの先生の話をぼんやり考えていると、後ろから焦った表情の友達が声をかけてきた。
7: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:49:05.04 ID:YBaUZDNc0
私の通う津田南高校には一風変わった行事がある。それがこの毎年12月に行われるクリスマスパーティー。名前通りのイベントで、全校生徒が集まってクリスマスを祝うというものだ。
「今年の開催日は……、あっ」
12月16日――。365日のうちできっと一番大切な日、私の誕生日だ。
8: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:53:20.91 ID:73ir32Ew0
「はぁ、疲れたよ……」
腕時計を見るともう14時を過ぎている。委員会は私が思っていた以上に大変なものだった。
気合を入れたにも関わらずお腹の虫は鳴いてしまうし、代理出席でこれまでの会議の内容を把握していなかったため理解が追い付かず、
9: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:55:08.58 ID:1TW+LqO90
バス停にはベンチはあるけど屋根はついていない。
春とか秋はまだ良い、だけど夏は日差しがガンガン照りつけて、雨の日はベンチが濡れてしまうので立って待たないといけなくて不評だったりする。
だけど私は木々から漏れる暖かな日差しを、体一杯に浴びることの出来るこのバス停が大好きだった。
10: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:56:44.26 ID:73ir32Ew0
――
プロデューサーの心得その1 とにかく足を使え!
「君、アイドルに興味あったりしない? え? 間に合ってる? いや、間に合ってるってどういうこと?」
11: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:59:23.92 ID:zMZ2R4gZ0
『君、アイドルプロデュースをしてみないかい?』
『はい? アイドル……なんですって?』
バイト先にやって来た眼鏡のおじさんは唐突にそう言った。なんでも新しく芸能事務所を設立するにあたって、新たにプロデューサーを雇う必要が出来たとのことだった。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/14(土) 00:00:22.07 ID:5gxN9Pqho
久しぶりだな
前回リアルタイムで追ってたし、今回のセルフリメイクに期待してる
13: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:03:52.04 ID:JQeRQEBk0
プロデューサーとしての最初の仕事は未来のトップアイドルの原石たちをスカウトすることだった。
社長からは3ヶ条のシンプルすぎる指南書だけ渡されて、そのまま外へと放り出される。
俗に言うOJTってやつだろうか。ただ俺の場合、ロクな説明もなくいきなり社会に投げ飛ばされてしまったのだけど。
ああだこうだ嘆いても仕方ない。とにかく自分の琴線をくすぐる存在を求めて俺はひたすら声をかけまくった。
14: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:06:46.34 ID:xyEICOsu0
「町並みはあまり変わらないな。味のれん、まだあったんだ」
何年か振りに地元に帰って来たけど、学校への道は殆ど変わっておらず不思議と安心出来る。
やはり日々目まぐるしく変わっていく都会は俺に合っていないのかもしれない。
15: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:08:36.86 ID:JQeRQEBk0
第三者が見たら間違いなく通報するだろう光景。だけど今ここには彼女と俺しかいない。まるで時間が止まってしまったかのような感覚。
いや、止まってなんかない。空から揺れ落ちて来た白い羽が時の流れを主張していた。風に揺られながら羽はアクセサリーのように彼女の頭の上に落ちる。
「……この娘、可愛いな」
16: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:11:17.99 ID:g5646tB80
「すぅ……」
「え、えーっと……。どうしよう」
思ってもいなかった展開に少しドギマギしてしまう。彼女はと言うと、幸せな寝息を立てながら、俺の膝に羽のついた頭を預けている。
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