過去ログ - 西島櫂「たまたま」
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6:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:24:50.24 ID:y7rCDTmB0
「歌番組って……瞳子さん、昔もそういうの出たことあったん……っと、すみません!」
「ふふ……いいのよ。もう知っている人も少ないでしょうし」

 櫂の失言にも、瞳子はやはり気分を害した様子はない。
 むしろ何か、名案を思いついたような様子で手を合わせ、
以下略



7:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:25:28.73 ID:y7rCDTmB0
「……成功、できなかったのよね……」

 ぽつりと、瞳子が寂しそうに言う。

「テレビに出たのも、この一度きりだけ……CDもほとんど売れなくて……事務所の経営にも随分悪影響が出たって聞いたわ……このときのプロデューサーさん、頑張って下さったのだけれど……私は、その期待に応えることが出来なかった……」
以下略



8:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:26:23.93 ID:y7rCDTmB0
「瞳子さん」

 無遠慮すぎるとは思いつつも、尋ねずにはいられなかった。

「じゃあ、瞳子さんは、どうして今まで辞めずに続けてこられたんですか? 何度も辞めたいって思って……それでも辞めずに頑張って、今の成功に辿り着けたのは……どうしてなんですか?」
以下略



9:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:26:59.44 ID:y7rCDTmB0
「そうそう……実家の母にも、よく泣きながら電話してね……『もう私アイドル辞める。明日プロデューサーさんに伝える』『そう、頑張ったね』なんて……でもそういうことが何度もあったものだから、その内母も呆れてしまって……『あんた本当は全然辞める気ないでしょ』なんて言うものだから『今度こそ絶対やめうぅ!』なんて泣き喚いたりして……」
「なんかもうコントみたいっすね……」
「本当ね……」

 瞳子がおかしそうに笑うので、櫂としても笑うしかない。
以下略



10:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:27:35.51 ID:y7rCDTmB0
「これ……見てもらえる?」

 瞳子が携帯電話を開いて差しだしてきた。
 なんだろうと思って見てみると、小さな女の子を抱いた女性が映っていた。

以下略



11:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:28:05.29 ID:y7rCDTmB0
(たまたま、瞳子さんの話を聞いたおかげなのかな……?)

 何とも言えない気持ちだった。
 どんな表情を浮かべたらいいのか、よく分からない。

以下略



12:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:28:49.96 ID:y7rCDTmB0
 事務所のあるビルの外に出たら、夜空に輝く星の海のただ中に、金色の月がぷかりと浮かんでいるのが見えた。
 軽く体を伸ばし、深く息を吸い込んでみる。家路を急ぐ人々で埋もれてごみごみしているはずの通りが、やけに広く感じた。
 まるで、長い時間潜ったあとで、水上に顔を出したときのような心地。

「……さて、行きますかね」
以下略



13:aho ◆Ye3lmuJlrA[saga]
2013/12/22(日) 17:29:56.97 ID:y7rCDTmB0
だから俺がこの前1000円課金したのもたまたまなんだ。
読んで下さってありがとうございました!

あと、いやらしいSSもしくはポケモンのSSだと思って開いた人は正直に名乗り出て下さい。
握手しましょう!


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/22(日) 19:13:05.94 ID:/iSjuMZ10
今回もよかった乙
いやらしいSSだなんて思ってなかったし(震え声)


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/22(日) 20:37:59.83 ID:L+ZQ6HmAO
櫂くんと瞳子さんとかド直球で俺得すぎるわ
乙!


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/22(日) 20:46:54.91 ID:shVRmlko0



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