過去ログ - とある少女の聖誕捧呈 (クリスマス・プレゼント)
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2013/12/22(日) 19:44:13.02 ID:HqZl913Bo
「で、ですが、殿方の後学の為にも、このままエスコートされて差し上げますの」
そう言って少女は少年の手をギュッと握り直す
尊大な台詞で押し隠そうとしているが、喜色と照れが垣間見える
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2013/12/22(日) 19:44:38.29 ID:HqZl913Bo
「珍しい外観ですのね」
目的地である洋菓子店、Salon de Sweets Momijiを一瞥し、少女は呟く
煉瓦造りのアンティーク調という、ここ学園都市では、そして、学舎の園でもあまり見られない店構えで
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2013/12/22(日) 19:45:07.95 ID:HqZl913Bo
二人とも分かってはいるのだ
流石に手を繋いだまま店内に入るわけにはいかないと、ここで手を離さなくてはいけないと
二人とも、動かず、無言で重なり合った手を見詰める
自らの手で魔法を解く、そんな事は誰だって嫌だろうから
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2013/12/22(日) 19:45:37.81 ID:HqZl913Bo
そんな少女らしくない、けれども少女の精一杯が詰まった言葉を前に
少年は
「は…… はははっ」
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2013/12/22(日) 19:46:06.95 ID:HqZl913Bo
「なかなか趣きの有るお店ですのね」
案内された席に着き、そう少女はぽつりと零す
外観に違わず、シックなアンティーク調に纏められた内装
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2013/12/22(日) 19:46:54.04 ID:HqZl913Bo
「いえいえ、素晴らしい智見と慧眼でございます」
「実際、当店のデザインコンセプトは、イギリス発祥のチューダーと、フランス発祥のアールヌーヴォーの折衷」
「何故なら、お茶はイギリスのお茶を煎れ、お菓子はフランスのお菓子を作る
以下略
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2013/12/22(日) 19:47:26.55 ID:HqZl913Bo
突然、面識も無い店員に声を掛けられ口籠り言葉を探す二人だったが、少年がある事に気付く
「……もしかして、さっきのお姉さん?」
そして、少女もまた
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2013/12/22(日) 19:47:57.14 ID:HqZl913Bo
その言葉と共に、メイドは笑みを少女に、そして少年に向けた
少女には義が、少年には熱が感じられる眼差しで
無論、それは本当に些細な違い
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2013/12/22(日) 19:48:28.93 ID:HqZl913Bo
そして同時に、この女性は
敵だ
そんな思いが沸き起こる
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2013/12/22(日) 19:49:14.90 ID:HqZl913Bo
「……え? あの、その様なお気遣い頂かなくても」
メイドもそう言って、静かな反抗の意思を見せるも、少年がその言葉の真意に気付く筈も無く
「ん、それもそうだな。俺達の事は気にされなくていいので、お仕事に戻って下さって構いませんよ」
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2013/12/22(日) 19:49:48.22 ID:HqZl913Bo
「おおぉ…… これは、美味いっ……!」
運ばれて来たケーキを一口食べるなり、少年はそう感嘆の声を上げ
続いて少女もまた
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