1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/26(木) 20:46:12.84 ID:UHZTgUVzo
「ねぇプロデューサー」
だらだら。
「なに?」
ぐうぐう。
「今日、オフだよね?」
ぬくぬく。
「オフ、だね」
むにゃむにゃ。
「じゃあなんで――」
はぴはぴ!
「――きらりんルームにいるわけ……」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/26(木) 20:46:57.34 ID:UHZTgUVzo
このSSは
幸子「12cmの贈り物」
ex14.vip2ch.com
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/26(木) 20:47:19.96 ID:brjUzLpw0
12cm幸子の人か?支援
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:47:23.20 ID:UHZTgUVzo
「それは、ほら、きらりが、ね?」
隣でいっしょに横になってごろごろしているのは杏の担当プロデューサー。いつもはスーツを着ているんだけど、今日は私服。メガネも、いつもと違って赤渕のメガネ。
「それで吃っちゃうのはプロデューサーとしてどうなの。その分もっと杏のお仕事減らしてよ」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/26(木) 20:47:23.83 ID:w05zjzdw0
幸子の続編かな?期待
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:47:52.90 ID:UHZTgUVzo
「暇だね」
喋ることも無くなって、互いに無言になったあと、ぼそりと呟いた。本当に暇で、いつもなら思わない、感じない、気まずさがそこにあった。
「お菓子と、ぬいぐるみがたくさんあるけどね」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:48:18.74 ID:UHZTgUVzo
「あー、じゃあ知ってる? プロデューサーと杏の距離」
「なにそれ。既視感を感じる展開」
――プロデューサーさん知っていますか? 先日聞いた、その台詞が脳内に響く。頭を振って、そのまやかしを振り払う。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:48:44.98 ID:UHZTgUVzo
「……あんの緑の悪魔め」
「それで通じちゃうあたりちひろは凄いね」
「ちなみに、いくらだった?」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:49:11.39 ID:UHZTgUVzo
「それで話戻すけどね」
「戻さなくていいのに」
「いいの、いいの。杏とプロデューサーの距離は15cmだから」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:49:37.95 ID:UHZTgUVzo
また、喋ることが無くなって気まずくなる。ちらりと横に山になっているお菓子の山を見る。チョコレート、クッキー、スナック菓子、パンケーキ類、そして――キャンディ。キャンディのスペースを見る限り、私の好みのものばかりだった。
こういうとき、きらりのことを好きになっていくのだろう。脳内はぴはぴに見えても、芯はしっかりした優しい女の子、それが私の親友。
ふと、思い出したことを問いかける。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:50:08.95 ID:UHZTgUVzo
「聞いておいて何その態度」
「別になんでもないよ。今日も寒いね」
結露を纏った窓を思い出し、外を想像する。凍てつく風が吹く中、一番カワイイあいつはどう思ってるんだろうか。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:50:35.12 ID:UHZTgUVzo
――――
――
―
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:51:04.86 ID:UHZTgUVzo
何秒か、何十秒か、何十分かの静寂の後、少し本腰を入れて聞いてみる。勿論、精一杯の皮肉を込めて。
「それで、どうするつもりなの? プロデューサーさん?」
「怒らせたいわけなのか、杏は」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:51:30.98 ID:UHZTgUVzo
次第に無言の空気に耐えられなくなったのか、プロデューサーは喋りだした。
「……幸子は、まだ14歳だよ」
「うん」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:52:09.96 ID:UHZTgUVzo
「……なんでさ」
「周りの目ばっかり気にしてる。プロデューサーの身長と同じだよ。等身大の自分を見ていないんじゃない?」
「どういうことだよ」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:52:52.63 ID:UHZTgUVzo
――――
――
―
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:53:46.03 ID:UHZTgUVzo
「でも、クールのお姉様方見てればわかるでしょ?」
と、思っていたけども、プロデューサーの悲壮な一言で現実がわかってしまう。彼は何をしたってマスコットなんだ。ただ小さいという特徴だけを見られる。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:54:19.98 ID:UHZTgUVzo
しばらくの時間、飴を舐めていた。いちご、ぶどう、メロン、オレンジ、りんご。レーベルは違えども、きらりはやっぱり私のツボを抑えている。見たこともない飴でも、美味しいかった。
そうしている内に、プロデューサーが一言、溜息と一緒に呟いた。
「……どうしようかなぁ」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:55:08.19 ID:UHZTgUVzo
そうして飴を舐めながら、またも暫くの間あれこれと一人で考えるプロデューサーに、一つ進言をする。輿水幸子がそうしたように、私も――杏も。
「杏はね、悩むくらいなら妥協しちゃったりするよ」
「妥協?」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:55:59.41 ID:UHZTgUVzo
プロデューサーにとっての輿水幸子は12cm。双葉杏は15cm。その間3cmはどうやって埋めていけばいいのだろうか。
だらだらと、ぐうぐうと過ごしてきた双葉杏を、どれだけプロデューサーが気にかけてきたのか。杏は幸子のように動いてやっていない。だけど私は、彼をずっと見ていたということに偽りはない。
「だからね、プロデューサー」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 20:56:25.63 ID:UHZTgUVzo
「プロデューサーは杏と15cm程度しかないけど」
この少しの距離、プロデューサーは腕を伸ばしてくれるだろうか。
「杏にとっては、その15cmは杏だけのものなんだよ」
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