3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/31(火) 02:58:24.93 ID:6yBCWbRi0
この発端は、我那覇響の友人である四条貴音が、親交の証に響の自宅を訪ねてみたいと言い出したことにあった。
彼女たちは765プロ所属の売りだし中アイドルである。
が、そのスケジュールにはまだまだ空きが多い。二人はよくこうした自由な時間に親睦を深め合っていた。
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2013/12/31(火) 03:00:20.04 ID:6yBCWbRi0
「はー寒い寒い! 早く部屋で温まろ!」
「そうですね……」
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2013/12/31(火) 03:02:10.54 ID:6yBCWbRi0
エレベーターが目的の階に到着し、二人は通路を進む。
しばらく進んで、響は歩みを止めた。
「ついたー」
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2013/12/31(火) 03:03:42.28 ID:6yBCWbRi0
がちゃりと解錠の音が響く。その音に、思考に耽っていた貴音の意識が現実へと引き戻される。
肌を刺していた気配は、気付けばすっかり消えていた。
(退いた……?)
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2013/12/31(火) 03:04:41.44 ID:6yBCWbRi0
「――――」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/31(火) 03:05:48.62 ID:6yBCWbRi0
「えっ……」
果てのない白。穢れのない白。澱みのない白。
世界から、切り離されたような感覚――。
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2013/12/31(火) 03:06:55.35 ID:6yBCWbRi0
「貴音?」
響の声に、貴音の意識が再び現実へと引き戻された。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/31(火) 03:08:09.90 ID:6yBCWbRi0
「ただいまー。皆ケンカしてなかったかー?」
リビングに入ると、響の家族たちが響と貴音を出迎える。
家族たちは各々の鳴き声で響に応えた。
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2013/12/31(火) 03:10:06.52 ID:6yBCWbRi0
「貴音ー、自分ご飯作るから、お湯が溜まったら先にお風呂入っちゃう?」
「それはなりません。家主より先に一番風呂を取るわけにはいきません」
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2013/12/31(火) 03:11:09.18 ID:6yBCWbRi0
「――――」
再び、白い世界を視た。
貴音はしげしげとその世界を眺める。
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