過去ログ - 貴音「私は、アイドル」
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7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:29:34.04 ID:wTtaWsb20

「ねーねー、そこの彼女、綺麗な髪だね、名前、なんていうの?」

軽薄な口調の、私より少し年上の男性が、道行く間に声をかけてくるのも気に留めず、私はただ、街を歩いてみました。
郷里では中々目にかかれない、この雑踏の中、私は目立つのか、皆が振り向いているようです。
以下略



8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:30:18.52 ID:wTtaWsb20

「おお、そこの君」

少し深みのある、低い声が聞こえてきました。
首をめぐらせると、濃茶色のスーツを着た壮年の男性が私のほうを見ています。
以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:31:19.34 ID:wTtaWsb20

トップアイドル…?

「そうだ。華々しいステージパフォーマンス。多くのファンを魅了する歌声、演技、美貌。何よりも、ファンを、見た者を幸せにするのがアイドルの仕事だと私は考えている…今、君の姿を見てピーンと来た!君にはその素質がある!是非、我が765プロダクションでトップアイドルへの第一歩を踏み出してみないか?!」

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10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:32:11.81 ID:wTtaWsb20

「諸君!ただいま!」

さして広くないその事務所のドアをくぐると、高木殿は非常に上機嫌そうな声で、室内の誰かへと声を掛けていました。

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11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:37:38.51 ID:wTtaWsb20

学生服のお下げの少女が、高木殿に厳しい言葉を浴びせています。

「まあまあ、律子さん。そのくらいで…」

以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:40:09.83 ID:wTtaWsb20

「んー、じゃあ、四条さんはねー、まず自分達のダンスを見てもらったほうが良いんじゃないかな?」
「頑張ってねー、響ー」
「んがー!違う!美希も一緒に踊るの!」
「えー」
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13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:43:22.90 ID:wTtaWsb20

誰も居ない、屋敷に比べれば、比べるまでも無く狭い部屋。
しかし、窓を開けば、大きく開けた視界の中に、都内の夜景と、郷里では考えられないほど少ない数の星しか見えない空が見えました。
だけれども、月の光は、どこに居ても同じ。白銀の輝きは、変わらず私を、街を照らしています。
先の分からない不安は、取って代わってこれから始まる新たな生活への希望となり、私は床に就くことにしました。
以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:44:46.57 ID:wTtaWsb20

それから数ヶ月。
小なりとはいえ、私を含めたアイドル候補は、アイドルとして、一応のデビューを果たしていました。

「おはようございます!貴音さん!」
以下略



15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:47:27.87 ID:wTtaWsb20

今日も、その生中継の収録が終り、私はBBSのスタジオへ向かう時でした。
仕事をはじめてから持たされている、携帯電話が震え、着信があったことを伝えます。
番号を見れば、小鳥嬢からでした。

以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:57:31.72 ID:wTtaWsb20


記憶を頼りに、その場所へと向かう。
幼少の頃に連れて来られたきりの場所は、周囲の近代的な建造物と異なり、あまり変わった様子は見受けられませんでした。
しかし、そのどれもが、あの頃より小さく見えるのは、きっと私が成長したという証なのかも知れません。
以下略



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