1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:35:48.77 ID:4W+e2BTSo
「想いの結晶」のそのあとです。
こちらを読んでないと、おそらく色々と分からないと思います。
あの時構想こそすれど、書けなかったものが、ようやく形になりました。
またお付き合いいただければ、幸いです。
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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:36:57.39 ID:4W+e2BTSo
暖かいまどろみに包まれて、私は穏やかに夢を見ていた。
とても幸せな夢だった。
いつまでも浸っていたいと思ってしまうほどに。
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2014/02/11(火) 22:37:24.20 ID:4W+e2BTSo
「……ん。う、もう、朝……」
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2014/02/11(火) 22:38:19.65 ID:4W+e2BTSo
ぼさぼさの髪に触って溜息を付きながら、洗面所へと重い体を引きずっていく。
待ち合わせの時間まで、十分に余裕はあるけれど、これを整えるのにどれだけかかるだろうか。
そんなとりとめのないことを考えながら、鏡に向き合った。
5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:39:43.40 ID:4W+e2BTSo
「……こんな使い方するなんて、思わなかったわね」
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2014/02/11(火) 22:41:02.07 ID:4W+e2BTSo
素肌を冷気に晒して鳥肌を立てて、慌てて下着を付けながら、つとめてその山を見ないようにする。
早くたたんで片付けないといけないんだけど。
しわになるとか、うっかりしてるとなくなっちゃうとか、色々、言われていたっけ。
別に、アイロンを掛ければいいのだし、そう簡単になくなったりしないだろうし、大丈夫だと思うんだけどな。
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2014/02/11(火) 22:42:23.75 ID:4W+e2BTSo
空が、とても青い。
あの日、あの瞬間にも、負けないほどに。
朝特有の冷たい風に、走って汗ばんだ身体の熱が取られていく。
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2014/02/11(火) 22:43:00.16 ID:4W+e2BTSo
きっと昔の私なら、無視して通り過ぎるだけだったのかな。
あるいは、怯えて何も言えなかったのかな。
いや、そもそも、何かに間に合うために急いで走るだなんて、それ自体がありえなかったかな。
9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:43:37.23 ID:4W+e2BTSo
「ほむらちゃん、おはよー!」
10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:44:20.99 ID:4W+e2BTSo
肩を並べて、話しながら、歩いている。
内容は案の定、こうして息を切らしていたこと。
11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:44:54.50 ID:4W+e2BTSo
「その、靴下が……見つからなくて」
「もう、だから、ちゃんとすぐにたたんでね、って言ったのに」
12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:45:48.38 ID:4W+e2BTSo
「ほーむーらーちゃん?」
「……気を付けます、ちゃんと、だらしない生活しないようにします……」
13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:46:45.05 ID:4W+e2BTSo
「せっかく、手に入れたんだから、さ」
「……うん」
14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:47:37.61 ID:4W+e2BTSo
「杏子ちゃん、今日、来るかな」
「……」
15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:48:39.41 ID:4W+e2BTSo
「……何か、できること、あるかな」
16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:49:36.65 ID:4W+e2BTSo
「ごめんなさい。それは、私にも」
17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:50:32.49 ID:4W+e2BTSo
「ほっとけない、よね」
「うん」
18:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:51:13.29 ID:4W+e2BTSo
ただ、巴マミとの接点も、薄くなってしまっていた。
佐倉杏子ほど極端ではないけど、私たちに会うたびに、その横顔には陰りが浮かんで、隠し切れていなくて。
作り笑いを浮かべることが多くなって、口数も少なくなっていった。
いつしか、私たちの方から会いに行こうとしない限り、会わなくなっていた。
19:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:53:36.24 ID:4W+e2BTSo
そして、放課後。
下校の支度をしていた巴マミを、教室まで出向いて捕まえて、そのまま帰り道を共にした。
拒否されるかもしれないと思っていただけに、受け入れてくれたのは、素直に、嬉しかった。
20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:54:44.22 ID:4W+e2BTSo
別に何か、問題が解決したわけじゃない。
大変なのはこれからだと、そう言い聞かせながら、靴を脱いで上がらせてもらう。
そして、飛び込んできた視界は、その感覚をよりいっそう強くさせた。
21:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/11(火) 22:55:39.21 ID:4W+e2BTSo
「……杏子ちゃん、来てるんですね」
「たまに、ね」
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