38: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:16:30.93 ID:HamqrAcGo
……そりゃあもちろん、知りたいよ。それもなるべく詳しく。
39: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:18:16.82 ID:HamqrAcGo
――彼女は己の正義を曲げずに無理な形で限界を超えてそれを貫き通そうとしたの。
その結果、彼女の心の内奥の淀みと心の外面が完全に分離してしまった。
――彼女は現在、心の内奥で自身の呪いを募らせそれを刻々と腐らせている状態にある。
40: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:21:50.82 ID:HamqrAcGo
ええっと、じゃあ例えば、どうしたらその、心が裂けてしまったさやかを元に戻せるか
……何か、何かヒントでもいいから、わかったりする?
41: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:23:57.57 ID:HamqrAcGo
――彼女に残された選択肢は二つ。
――まず一つ目は、呪いをどこまでも募らせて、
それが心の耐えられる限界を超えたとき、
この世に災いを成す者として改めて誕生する。
42: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:26:31.19 ID:HamqrAcGo
しかし、恭介は唐突にそれを聞いてもほむらが冗談を言っているとまでは考えなかった。
比喩的で、掴みどころのなくて回りくどい言葉を言っているな、とだけ感じた。
藁にもすがる思い。
神妙な顔で彼女の声に耳を傾ける恭介。淡々とほむらは話続けた。
43: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:28:22.53 ID:HamqrAcGo
それまでの何とも言えない表情と態度を崩し、
口の端に温かな笑みをほのかに浮かべて一呼吸おいて、
ほむらはさも大事そうに厳かな調子でその言葉を恭介に告げる。
44: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:31:21.22 ID:HamqrAcGo
それからは特に変わったことはない。
ほむらはさやかに、一方通行どころか届いてるかもわからぬ他愛ない言葉をかけたり、
先ほどまでのように何も言わず彼女を長い時間見つめたりしたのち、
来た時と同じく唐突に見舞いを切り上げ帰っていった。
45: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:33:35.80 ID:HamqrAcGo
僕は……僕は、異性としてさやかのことを愛しているだろうか?
いや、愛しては、いないはずだ。
ごく短時間に自問自答を終える。
46: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:35:14.89 ID:HamqrAcGo
しかし、さやかが大切な人であることは今も昔も確かだ。
だったらさやかの気持ちを知った今なら、自分にとって大切な人の一人である彼女を、
そういう目で見ることができるようになるんじゃないか?
47: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:37:01.04 ID:HamqrAcGo
事故に遭って入院しているとき、
甲斐甲斐しく何度も何度も病室まで通ってくれた彼女。
それ以外にも彼女は僕に、ずっとずっと前から色々な温かさを与えてくれた。
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