47: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:37:01.04 ID:HamqrAcGo
事故に遭って入院しているとき、
甲斐甲斐しく何度も何度も病室まで通ってくれた彼女。
それ以外にも彼女は僕に、ずっとずっと前から色々な温かさを与えてくれた。
48: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:38:07.97 ID:HamqrAcGo
その無垢なさま、自分に何もかもをさらけ出している姿。
自分が何かそんな彼女に後ろめたいことをしているようだった。
さやかは僕のことが好きだ。
49: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:39:05.18 ID:HamqrAcGo
さやかの見た目が可愛いということはずっと前から知っていた。
でもそれは、彼にとってそれ以上の意味を持ったことはなかった。
そこに自分の何かが入り込む余地はなかったから。
50: ◆2DegdJBwqI[saga sage]
2014/04/17(木) 21:42:02.97 ID:HamqrAcGo
>>49 訂正
六行目
×そこには、彼が受け入れる用意がなされている。
51: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:50:51.21 ID:HamqrAcGo
母親はともかくとして、異性とここまで近づいた記憶が恭介にはなかった。
恋人だった仁美とは、まずはもっと互いに親睦を深めあう、そんな段階。
だから、部屋で二人っきりで身体を寄せ合い、
52: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:53:05.09 ID:HamqrAcGo
さやかの両手が恭介の背中に回る。
さやかの肩から恭介は顔をゆっくり離して首を曲げ、彼女の顔を見た。
さやかも恭介の目を凝視している。互いの息がかかるくらいに顔が近い。
53: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:54:49.98 ID:HamqrAcGo
罪悪感に強く胸を締め付けられて、唇を噛む。
――心からの愛を、彼女に注いであげるよう努力してあげて。
54: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:57:26.01 ID:HamqrAcGo
しかし、言葉を伝えたところで、それがいったい何の証明になる?
心からの愛、特別な気持ちを誰か一人に示すには、
普通じゃない、特別な行為が必要なんじゃないか?
55: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 21:59:07.51 ID:HamqrAcGo
さやかは僕のことが好きだ。
僕はさやかのことを好きになれるだろう。
あとは僕がどうするか、それだけが問題だ。
56: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 22:05:18.08 ID:HamqrAcGo
さやかの後頭部に手をやる。
自分から顔を近づけ、迎えに行く。
さやかの眉と鼻、二つの蒼い目が自分に迫る。
57: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/04/17(木) 22:08:42.07 ID:HamqrAcGo
心からの愛、それを僕がまだ意識できていないのに、
キスをするなんてそんなのはおかしい。
やっぱりこんなことはもっと後になってから、
彼女のことをもっと異性として好きになれてからすべきことだ。
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