5:1[saga]
2014/06/15(日) 18:10:56.29 ID:JJ+uJ6bP0
やよい「春香さんはお菓子とか作ってあげないんですか?」
春香「え?」
伊織「そうよ、あんたの取り柄なんだからケーキでも作ってやんなさいよ」
6:1[saga]
2014/06/15(日) 18:11:22.36 ID:JJ+uJ6bP0
バタン
伊織「ふぅ」
7:1[saga]
2014/06/15(日) 18:12:00.22 ID:JJ+uJ6bP0
・ ・ ・ ・ ・
帰りの車中。 運転する新堂を横目に見ながらポツリと言った。
8:1[saga]
2014/06/15(日) 18:12:43.21 ID:JJ+uJ6bP0
伊織「じゃあ、私が最後に贈ったものは覚えてない?」
新堂「最後…………。 確かチョコレートの詰め合わせだったかと」
伊織「え、そんな安物だったの?」
9:1[saga]
2014/06/15(日) 18:13:11.58 ID:JJ+uJ6bP0
伊織「ネクタイ?」
確かにお父様はネクタイを毎日と言っていいほど首に巻いているだろう。
しかし、それがお父様の求めている物かと言われると甚だ疑問である。
10:1[saga]
2014/06/15(日) 18:13:52.02 ID:JJ+uJ6bP0
・ ・ ・ ・ ・
帰宅してすぐ、私を降ろすと新堂はそのまま別の方向へと車を走らせて行った。
おそらく伝があるのだろう、良い品を持ち帰って来るに違いない。
11:1[saga]
2014/06/15(日) 18:14:58.33 ID:JJ+uJ6bP0
新堂「かしこまりました。 お湯殿はいかがなさいましょう」
伊織「朝入るから今は良いわ。 ちょっと疲れたから、もう寝るわ」
新堂「左様で御座いますか。 では、私は失礼致します」
12:1[saga]
2014/06/15(日) 18:15:31.75 ID:JJ+uJ6bP0
・ ・ ・ ・ ・
起きた時、一番最初に耳にしたのはコンコンコンコン、というノックの音だった。
枕元に置いてあった携帯を開くと、6時ピッタリの時間だった。
13:1[saga]
2014/06/15(日) 18:16:46.36 ID:JJ+uJ6bP0
新堂から長方形の包みを受け取る。
開けてみるとピンクでチェック柄のネクタイだった。
随分と趣味の悪い、と言いたいところだが、おそらく私の好きな色を意識したんだろう。
半分呆れた視線を新堂に向けると、
14:1[saga]
2014/06/15(日) 18:17:16.57 ID:JJ+uJ6bP0
・ ・ ・ ・ ・
コツコツコツ、コツコツコツ。
タイルの床を鳴らしながらお父様の部屋へと歩を進める。
何年ぶりだろうか、父に贈り物をするのは。
15:1[saga]
2014/06/15(日) 18:17:43.32 ID:JJ+uJ6bP0
伊織「……よし」
子が親にプレゼントをするだけで、何を恐れる必要がある。
意を決して書斎の扉を二度叩いた。
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