過去ログ - ひよっ子魔女とその師匠
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 11:38:16.70 ID:TmyX6+Eao

 男の声だ。
 いかにも優男然とした気に食わない声。
 聞き覚えがないこともない。
「なんだかひどいなあ」
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:17:07.55 ID:TmyX6+Eao

「……なんの用だい?」
 冷たく告げる。
 男の声は笑いの気配を混ぜて「さすがヘレナ、驚かないんだね」と言った。

以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:17:41.03 ID:TmyX6+Eao

「どういうつもりだい?」
 恫喝の響きを混ぜて問う。
 声は素知らぬ調子で答えた。
「少しだけ話がしたくて」
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:18:08.28 ID:TmyX6+Eao

「関係ないことないさ。関係大ありだよ」
「……」
「で、探し物は何?」
 沈黙が落ちた。
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:19:30.99 ID:TmyX6+Eao

「君は魔法の助けによって何かがなくなったのは分かっていた。
 実際に確かめてみて何かがなくなった実感もあった。
 だけどじゃあ何がなくなったのか、それは分からなかったんだ」
 違う? と夫は訊いてきた。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:20:15.06 ID:TmyX6+Eao

 光の一つが宙に舞った。
 ふよふよと頼りない軌道を描いてヘレナの方に近寄ってくる。
 ヘレナはそれを振り払おうとした。
 が、光は手の間をすり抜けた。
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:20:57.63 ID:TmyX6+Eao

 あれは。
 そう、「大好きだ」というあの言葉は。
 夫の最期の言葉だ。



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:22:06.35 ID:TmyX6+Eao

 小さい頃は町住みで猫を飼っていた。
 その頃は自分も人並みに明るい性格で笑顔もそれなりに上手だったように記憶している。
 人と自分がどこか違うと感じるようになったのは猫がすっかり大人になったあたりで、みんなと同じように物を考えることがいつの間にかできなくなっていた。

以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:22:34.55 ID:TmyX6+Eao

 確か自分が十四歳になった頃だ。
 猫が死んだ。
 干からびるほど泣いた。

以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 18:23:11.23 ID:TmyX6+Eao

 各地をさすらっているうちに、自分が魔女であることを知った。
 世の不思議、魔法とともにある存在らしい。
 確かにいろいろなことが不思議と思い通りになるなとは思っていた。
 だがどうでもよかった。
以下略



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