過去ログ - ひよっ子魔女とその師匠
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 17:55:00.19 ID:PeQPCDngo

 魔法はそれそのもので生きているかのようだ、とは魔女がよく言う言い回しだ。
 魔法は魔女の道具ではない。
 世の底にあまねく流れる法則ならざる法則と言われることもあるが、あまり信用ならない力持ちとヘレナは呼んでいる。
 うまく利用すれば役に立つ、馬鹿と鋏はなんとやら。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 17:57:24.71 ID:PeQPCDngo

「……これは一体どういうことだい?」
 数日現場から離れていた間に、普通の邸宅になるはずだった住居にはいくつもの風車が『不思議なことに』取り付けられていた。
 彼女の質問には誰も答えることができなかった。
 誰も故意にやったのではなくいつの間にかそうなっていたのだから当然といえば当然のことだが。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/14(月) 19:05:57.33 ID:HbO6dzrK0

このシリーズ好きだったから期待


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 21:50:43.33 ID:PeQPCDngo

 孫娘はどうやらあの後近くの川の水で肘の傷を洗うことを思いついたらしかった。
 まあそれはいい。
 化膿しても困るのでむしろあの鈍い頭で思いついたことを褒めてやりたいくらいだ。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 21:51:26.39 ID:PeQPCDngo

 優しさだけが取り柄の男だった。
 ヘレナがかつての夫を思い出すときに真っ先に浮かぶ文言だ。
 その通り優しいだけの頭のゆるい男だった。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/14(月) 21:52:19.30 ID:PeQPCDngo

 娘のキーナの夫になったのも似たような若者だった。
 いやアレにそそっかしさを足したさらに救えない男だった。
 だが娘はそこがいいのだとほざくのだ。
「なんかほっとけないじゃない」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:37:57.72 ID:eOhLbTZvo

「ミナ!」
 ヘレナが呼ぶとミナは「お婆ちゃーん!」と歓声を挙げた。
 なあにがお婆ちゃんだ。ヘレナは苦々しく口を歪ませた。
 一応は師匠と弟子なのだからもっとふさわしい呼び方があるだろうに。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:38:32.65 ID:eOhLbTZvo

「そんな、やだよー」
 ミナはびしょ濡れのまま取りすがってくる。
「絵本よんで。お歌うたって」
 孫娘の手の湿り気から退避しながらヘレナは首を振った。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:39:10.75 ID:eOhLbTZvo

 視線の高さを少女に合わせてしばし見つめ合う。
「それならよし」
「やったぁ!」
 小躍りを始めるミナにヘレナは発破をかけた。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/15(火) 18:39:39.82 ID:eOhLbTZvo

 それからしばらくはミナも真面目だった。
 他のもっと楽しいことに惑わされることなく魔法の訓練、つまりは探し物に専念していた。
 ……だからといってそれに結果が伴うわけでもなかったが。

以下略



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