2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:09:23.13 ID:9uLTT2Jd0
ウチのアイドル達だけでなく、律子君らプロデューサーの二人、そして――。
ジュピターと言ったかな、彼らも少し緊張しているようだった。
天海君達と一緒のテーブルについたものの、しきりに店内をそわそわと見渡している。
程無くして、マスターが私のグラスを差し出してくれた。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/07/24(木) 14:12:05.19 ID:UKIljuJ80
期待!
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:12:07.23 ID:9uLTT2Jd0
我慢比べ――と、キミも思っていたのかは分からない。
お互いに、2杯目のグラスを少し進めたところで、ようやくキミは切り出してくれた。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:13:51.62 ID:9uLTT2Jd0
【1】
資料を一通り揃え、時計に目をやると、もう10時をまわっている。
本当は9時半くらいには事務所を出たかったのだが、少し準備に手間取ってしまった。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:15:46.02 ID:9uLTT2Jd0
僕と高木の役割分担は、至って明瞭だった。
僕がアイドルの候補となる人材をスカウトし、高木が育てて売り込む。
僕の方が、良い人材を見つける能力に秀でる一方、高木は人を育てるのが得意だった。
仕事やライブの時は、僕が事前に戦略・企画立案を行い、高木が陣頭指揮を執る。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:17:35.86 ID:9uLTT2Jd0
「う〜ん――あの、とても光栄なお話であるのは良く分かるのですが――」
今日スカウトする一人目の子は、見た目とは裏腹に結構身持ちの堅い子だった。
昨今のアイドルブームに乗っかろうと、抵抗無く食いつく子も多いというのに。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:19:32.57 ID:9uLTT2Jd0
「実は私、卒業後は父が経営する会社に勤めることが決まっていまして――」
「えっ、あ、そ――そうなんだ」
家のことを持ち出されると、さすがにキツイ。
高い身長、控えめだが美しいボディライン、ショートカット、キリっとした目鼻――。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:21:33.69 ID:9uLTT2Jd0
二人目の子は、先ほどの子とは違い、とても明るく元気な子だった。
「本当に、私をアイドルにしてくれるんですか!?」
おまけに、アイドルというものに強い憧れもあるようだ。
さすがは高校生。未来が眩しくて仕方がない年頃なのだろう。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:24:51.52 ID:9uLTT2Jd0
「おーい、アキコおめぇ何やってんだ?」
ふと、聞きなれない声がした方を見ると、制服姿の大男がすぐそばに立っていた。
この子のツレか――勝手な印象だが、総身に知恵が回りかね、と言ったところか。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:27:02.39 ID:9uLTT2Jd0
左頬がまだヒリヒリと痛む。
道端に放置された車のサイドガラスで少し確認したら、相当腫れていた。
今日は色々と散々な日だ。
思えばマフラーも忘れ、一人もスカウトできず、まして一人から平手打ちを喰らう――。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 14:29:02.84 ID:9uLTT2Jd0
ほんの少し緑がかったセミロングの髪。
右の目元にある泣きぼくろも、何だかセクシーだ。
それでいて、穏やかなで優しそうな印象を与える横顔。
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