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2014/08/10(日) 16:19:23.41 ID:PqSllGERo
今日が曇り空ならよかったのに。
ガードレールに守られた上り坂の歩道を
すたすた抜けていく彼女の後ろ姿を追いながら、
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2014/08/10(日) 16:22:03.86 ID:PqSllGERo
緩やかな上り坂が終わる頃、先を歩くあの子がぽつりとこぼした。
「でも、
後ろで支える柱になるのもきっと良いことですよ。
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2014/08/10(日) 16:24:44.22 ID:PqSllGERo
私に聞かせたのか、ただの独り言だったのかは分からない。
海未はこちらを振り返り、
私はずっと誰かを支えたかったんです、
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2014/08/10(日) 16:27:24.59 ID:PqSllGERo
この声に反応して海未が目を見開く。
自分でも何を口走ったのか一瞬分からない。
でも、わかった。
海未は年下なのよ、あんな顔させるわけにはいかないの。
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2014/08/10(日) 16:30:04.93 ID:PqSllGERo
海未はこちら側を振り向きながら歩いてたせいで
コンクリの割れ目にかかとをぶつけてふらついてしまう。
その手をすかさず取った。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:32:45.32 ID:PqSllGERo
そのまま手を強く引っ張ってわき道の陰に海未を引きずり込んだ。
ちょうどよかった、だってここは、
「……近道、なんでしたっけ。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:35:25.77 ID:PqSllGERo
「ねえ海未?
あなた、あのアサガオの支柱みたいに私も支えてくれるっていうの?」
「ぇ……あ、あたりまえです!」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:38:06.24 ID:PqSllGERo
逃げ場を失った海未はマンションの冷たい壁に背中を軽く押しつけられる。
髪がはらりと広がって
いつものシャンプーの奥に海未の匂いがした。
上目で見上げる瞳の光も震えていて、
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2014/08/10(日) 16:40:46.84 ID:PqSllGERo
――じゃあ、
私は海未だけの柱になってあげる。
海未のこと、トクベツにからませてあげるわ。
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:43:27.25 ID:PqSllGERo
薄い塩水のような味。
海未の身体がびくんとはねる。
半開きの唇から甲高くてねっとりした声が小さくもれだす。
震動が私の奥まで広がって、
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:46:07.63 ID:PqSllGERo
自分の腕を必死に抱いて二歩ほど離れるあの子はもう涙目。
ちょっとどうかしてしまいそうなほど可愛い。
「なぁんだ。
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