64:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:42:17.74 ID:57lCD6A/O
「あら、来たわね」
寝ないまま何時間も走りっぱなしだった俺を、情報屋が出迎えた。
65:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:43:49.25 ID:57lCD6A/O
「待ちくたびれたぜ。へへっ」
薄暗い地下室には、裸電球が一つ頼りなく灯り、蛾が光にまとわりつくよう飛んでいる。
66:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:45:32.34 ID:57lCD6A/O
「俺がはやがねキョガクの息子、はやがねドウタクだった時のことだ」
ゆらゆらと飛ぶ蛾を、ネイチは見ているらしい。
67:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:47:52.95 ID:57lCD6A/O
「いつか復讐されるのを恐れてたってのも本当だ。
なんせあの白い牙の息子だからな。
自分なんか簡単に殺られると思ったんだろう」
「お前は、それを止めてくれようとしたんだよな」
68:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:49:39.53 ID:57lCD6A/O
「はやがね一族はな、尾獣を封印するのに適した体を持った一族だったんだ。
うずまき一族ほどじゃないけどな。
俺も霧で初めて聞かされて驚いたよ。
それと同時に不運を呪った。
いつまで俺は他人の思惑に振り回され続けるのだろうと、さすがに頭にきたよ」
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/26(火) 00:51:30.41 ID:N43FSyu3O
ふむ
70:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:51:39.23 ID:57lCD6A/O
「リンと別れたのは、俺が8才の頃でリンが6才の頃だった。
アイツの方は俺のことを覚えちゃいないだろうが、俺はアイツがよちよち歩きした時から知っていた。
そして恨んでいた」
71:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:53:32.48 ID:57lCD6A/O
「けれど、親父はアンタから逃げるように里を離れたから、周囲からは犯人扱いされたんだ。
お袋はそれに耐えきれず、体を悪くして死んだとリンは言った」
ネイチはどんどん早口になっていった。
72:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:56:38.73 ID:57lCD6A/O
「そして、リンは霧に利用されることになった。
俺はなんとか助け出そうとしていたんだ。
なのにお前が現れた。
お前はあっさり……本当にあっさりリンを殺した」
73:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:59:13.92 ID:57lCD6A/O
「どうして俺が責められなきゃならない……?
お前に俺を恨む権利があるのか?」
俺はネイチを睨み付けた。
86Res/84.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。