過去ログ - 草加雅人「アイちゃん虐待も、乾巧って奴の仕業なんだ」(グロ注意)
1- 20
2: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:06:12.84 ID:m4MKaQmH0
暑い暑い夏も過ぎ、秋の涼風が吹くようになった季節。
紅葉や銀杏の葉が風に舞い、キノコが美味しい季節となった。
そんな涼風が勢力を増した季節であるにも関わらず、菊池クリーニング店は今も尚暑かった。
頭にタオルを巻いた人の良さそうな若者が、年下の少女と共にアイロンがけをしていた。そのアイロンが放つ蒸気と熱が、クリーニング屋を暑くしていた。
その部屋の向こうのリビング。なまけものの青年がソファーの上で惰眠を貪っていた。
以下略



3: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:08:54.97 ID:m4MKaQmH0
「あぁ〜っ!! かわいいっっ!!」
その赤子を見て、クリーニング店の住み込みの店員・真理が言った。
「この子はアイちゃんといいます。
ちょっと空を飛んだり、魔法を使ったりしますが、とてもおとなしくていい子ですので、お願いしても構いませんか?」
「いいよ亜久里ちゃん。常連さんにはサービスしちゃうから! ドンと、任せといてよ!」
以下略



4: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:11:32.41 ID:m4MKaQmH0
その日の夕方。本日分のクリーニングする衣料もあらかた片付いていた。巧と啓太郎は配達でいない。その間、雅人が彼らに代わってアイロンがけを手伝っていた。
一方、夕食の準備も終わり暇になった真理は、リビングのソファーの上でアイちゃんと遊んでいた。
真理は羽を動かして宙に浮くアイちゃんを見て驚いていた。亜久里からは空を飛ぶとは聞いていたが、まさか本当とは思わなかったのだ。
「すご〜い! 飛んでる飛んでる〜!」
「きゅぴぃ〜♪」
以下略



5: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:14:23.03 ID:m4MKaQmH0
「ふふ・・・、そんなことないって!!」
「きゅぴ〜、アイちゃんまりだいすき!!」
その仕草に、「かわいい〜♪」と口に出す真理。より強く彼女を抱きしめる。
(ハッ・・・、どこがだよ・・・)雅人は思った。
顔はケバくて不細工。目も不気味。おまけに気持ちの悪いピンク色の髪。明らかに異常だった。
以下略



6: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:16:46.46 ID:m4MKaQmH0
「クソッ! クソッ!!」
夜中、二階の一室。雅人に宛てがわれた部屋。その部屋は質素で飾りつけもすくない。
その部屋の中で、雅人は怒りに任せて枕を殴りつけていた。
雅人にとって真理は自分だけの母親だった。
その母を奪う赤子の行為は、彼にとっては死罪に等しいものであった。
以下略



7: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:19:04.24 ID:m4MKaQmH0
「真理。俺もアイちゃんと遊んでいいかな・・・?」
その翌日の朝だった。一階でアイちゃんと仲良く遊んでいた真理に、雅人は声をかける。巧と啓太郎は配達に行っており、不在だった。
「え? 草加くんも?」
意外な申し出に真理は驚いた。
「君だけが世話をするんじゃ大変だろ。俺も手伝うよ・・・。まぁ怠け者の乾の奴は手伝ってくれないようだけど」
以下略



8: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:21:21.78 ID:m4MKaQmH0

「ぐわぁぁぁぁっ!!」
雅人は大声を上げた。
「どうしたの草加くん・・・?」
その声を聞きつけ、一階にいた真理が駆けつけた。扉を開けると、腕を押さえて苦しむ草加と、ベッドの上で驚いて目を丸くするアイちゃんが目に入った。
以下略



9: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:22:48.04 ID:m4MKaQmH0
「きゅぴぃ・・・、まりぃ・・・。あいちゃんじゃない・・・!」
「く・・・、う、腕が割れるように・・・!」雅人は痛みに呻き声をあげる。
「大丈夫!草加くん?」
真理は駆け寄って雅人の腕に優しく触れる。
「きゅぴぃ・・・、あいちゃんちがう・・・!」
以下略



10: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:26:49.53 ID:m4MKaQmH0
その夜、ゆりかごの中ですやすや眠っているアイちゃんを真理と啓太郎が見守っていた。
気持ちよさそうな顔をする赤子を見つめ、真理は言った。
「啓太郎、アイちゃんなんだけど、私が面倒見ててもいい?」
「いいけど・・。ど、どしたの真理ちゃん?」
「あの子・・・、超能力で草加くんに乱暴したの」
以下略



11: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:31:16.13 ID:m4MKaQmH0
その頃、菊地クリーニング店の庭。巧と雅人は、夜干ししていた洗濯物を一緒に取り込んでいた。
その間には沈黙が流れる。このふたりに話すことは何もない。
無理もないだろう。
このふたりの間には色々なことがあったのだ。
雅人が一方的に巧を憎んだことも、陥れたことも、あまつさえ殺そうと暗躍したこともある。
以下略



12: ◆I8wqPLe//o[saga]
2014/09/13(土) 00:34:13.83 ID:m4MKaQmH0
その翌日だった。その日は快晴で暖かい日だった。
少しの遠くの公園まで愛車の洗車に行った雅人が、菊池クリーニング店へ帰ってきた。
店内に戻ると鍵がかかっていた。鍵を開けて中に入ると、誰もいなかった。
メモが残っていないか探してみると、真理は可愛らしい小さな文字で書き置きを残していた。
"草加くんへ。三時には帰ります。アイちゃんに気をつけてね★"
以下略



41Res/37.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice