7: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:06:38.63 ID:4ZFYR2uVO
  
 「もう。いけませんよそんなことでは。軍人たるもの腹が減ってはなんとやらです」 
  
 「武士は食わねどなんとやら、とも言うけれどね」 
  
8: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:09:34.41 ID:4ZFYR2uVO
  
 「でね! そこで多聞丸が言ったのよ! なんて言ったと思うっ?」 
  
  
 朝の喧騒に染まる食堂に、竹を割ったような気持ちのよい声が一際響く。 
9: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:11:49.40 ID:4ZFYR2uVO
  
 「まだまだあるわよー、多聞丸百物語は!」 
  
 「聞き終わった時に死んでたりするやつじゃない、それ?」 
  
10: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:13:34.53 ID:4ZFYR2uVO
  
 そんな騒ぎのただ中で赤城はといえば、 
  
  
 「ん……ふむ……これはまた美味……」 
11: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:16:00.23 ID:4ZFYR2uVO
  
 「ええ。あなたたちがいつも通りであるように、私もいつも通りの私です」 
  
  
 食に充足している、というささやかで偉大な幸せを実感しながら、赤城は微笑みで返す。 
12: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:17:27.09 ID:4ZFYR2uVO
  
 「私ら空母機動部隊のまとめ役っていうと、加賀さんってイメージがあるけどさ」 
  
 「む?」 
  
13: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:19:36.50 ID:4ZFYR2uVO
  
 「ありがとう、瑞……瑞鶴」 
  
  
 どうにも言葉に詰まってしまう。 
14: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:21:50.17 ID:4ZFYR2uVO
  
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇  
  
  
 窓の外に照る夕焼けが、オレンジを通り越して赤々しくさえあった。 
15: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:24:07.58 ID:4ZFYR2uVO
  
 「入れ」 
  
  
 促しつつも慌ててケースをしまった。 
16: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/14(日) 22:25:53.04 ID:4ZFYR2uVO
  
 「空母機動部隊の練度はどうだ」 
  
  
 心なし赤城よりだった視線を均して、悟られないようそっと加賀に向ける。 
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