過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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82: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:29:28.85 ID:NV91PEd4O
少し早くに目が覚めた。

(大丈夫、起きられる)

体の調子は悪くない。ひょっとすると、ここ暫くでは最高のコンディションかもしれないと思った。
以下略



83: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:30:20.07 ID:NV91PEd4O
早起きしたお陰で時間はたっぷり余っていて。

だから今日は気合いを入れて、念入りに髪をとかしてきた。

その甲斐あってか、今日のツインテールはばっちり決まっている。まあ、登校時間はギリギリになっちゃったけどね。
以下略



84: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:31:04.83 ID:NV91PEd4O
二限目の終わりに携帯電話をチェックすると、真姫ちゃんから昼食を一緒に食べようという旨の連絡が来ていた。

『いいわよ』

早速そう返信して、私は教室を後にする。この時間に服用する薬は、幸い制服のポケットに収まる量で済んでいた。
以下略



85: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:31:42.49 ID:NV91PEd4O
「昨日見た薬のこと、誰にも話さないで欲しいの」

紅い双眼に射抜かれて、私は暫し硬直する。

綺麗だと思ったのだ。よりにもよって、同世代の女の子のことを。
以下略



86: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:32:12.17 ID:NV91PEd4O
「実を言うとね」

どうかお願いです。神様。

「もう、時間がないのよ」
以下略



87: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:32:42.14 ID:NV91PEd4O
「みんなには私から話すわ」

いつ、どんな形でそれを伝えるか。それはまだ考えられない。

けれど、話さず秘密にしておくなど有り得ないことだ。
以下略



88: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:33:40.47 ID:NV91PEd4O
「……今日の放課後に」

部室の薄暗い蛍光灯の下。青白いにこの顔は輪郭さえもおぼろ気で。

「練習を見て、無理だと感じたらみんなに話すわ」
以下略



89: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:34:16.00 ID:NV91PEd4O
真姫ちゃんとの昼食を滞りなく済ませて、あっという間に放課後。

幸いなことにそれまでに私の様子を怪しむ者はひとりもいなかった。

きっと絵里だって、薬のことを知らなければ今でも何も気付かずにいられただろう。
以下略



90: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:34:57.80 ID:NV91PEd4O
「どこへ行くの」

私が休憩を宣言するなり、彼女は屋上を後にした。その足取りは覚束ない。

「……着いて来ないで」
以下略



91: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:35:39.64 ID:NV91PEd4O
「どうして?」

うなだれた私に向かって、躊躇いがちに。

「にこが何て言おうと伝えれば良いじゃない、みんなに」
以下略



92: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/13(木) 23:38:56.99 ID:NV91PEd4O
今回はここまで。応援とても励みになっています。また来週末に投下しますね。


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