1: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 03:05:01.00 ID:SGK+dpDH0
酒の勢いで適当に書いてく
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/20(木) 03:08:42.72 ID:CfAji0IXo
タイトルだけでときめいた
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/11/20(木) 03:24:13.55 ID:1w7VRFVp0
ロックマンかな?
4: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 03:30:11.43 ID:SGK+dpDH0
昼下がり。俺は少し小さな、恐らく個人が作ったんだろう、レンガを組み上げて作られた二階建ての建物の前に立っていた。
昔から全く変わっていない、ただ灰色のレンガを組み合わせただけのちゃちな建物だ。いくつか窓穴が開いているが、相変わらず、そのどこにも侵入者を拒むためのものは設置されていない。
5: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 03:45:42.17 ID:SGK+dpDH0
今じゃどう見ても作りかけで放置された出来そこないにしか見えないが、それでも当時の俺たちには巨大で堅固な要塞だった。
なにせ二階に行くにはハシゴを上らなきゃいけなかったんだ。ハシゴを上るなんて、普通の生活じゃ滅多にしないだろう?
6: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 03:59:48.79 ID:SGK+dpDH0
親の転勤で引っ越して以来十数年、この思い出の場所が取り壊されていないか心配だったが(友達と手紙でやりとりすればよかったんだろうけど、結局、彼らとの文通は「元気か? 俺は元気だ」などの無難で味気ない短文を書き添えた年賀状だけだった)、それは俺の取り越し苦労だったらしい。
俺がいない間に取り壊され、駐車場になってしまったボロ屋跡地の隣を通り過ぎて要塞の隣の家、俺たちの最大の敵だったおじさんの家の前に立ち、チャイムを鳴らす。
7: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 04:16:24.66 ID:SGK+dpDH0
電子式じゃない、押して、放すまでが一セットなチャイムを鳴らし終えて数十秒後、塀の奥、立てつけの悪さが耳に届く引き戸が開いた。
「はーい、どちらさま?」
8: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 04:27:28.46 ID:SGK+dpDH0
「うん、そうだよ」
欠伸混じりにお姉さんは答え、俺に「それがどうしたの?」と言わんばかりの視線を向ける。
9: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 04:45:20.67 ID:SGK+dpDH0
「叔父さんからよく聞かされてたんだ。毎日のようにあそこに忍び込んで騒いで、人が注意したら松ぼっくりとか、木の実を投げてくる悪ガキ集団がいたって」
おねえさんは胸ほどの高さの塀に肘をついて、俺たちの敵だったおじさんから聞いた話を懐かしそうに語る。その表情がもう居ない人物を思い出しているような、そんな雰囲気を醸し出していて、不安に駆られ、とっさに俺の口からはこんな言葉が飛び出した。
10: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:03:08.93 ID:SGK+dpDH0
おねえさんから許可を得た俺は、要塞の一階に足を踏み入れていた。木材トイレ変わるように、古い家電製品や、不用物の押し込められた段ボール箱置き場になっていた。
段ボール箱を少し移動させ、鉄製のハシゴを上る。昔よりサビが酷くなっていて、ザラザラ感が増しているような気がした。
11: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:15:14.04 ID:SGK+dpDH0
充分懐かしさを堪能した俺は、またチャイムを鳴らし、おねえさんに「また今夜、あそこに入ってもいいですか」と確認を取って、要塞を後にした。今日はよく晴れていて、ゆっくりと星空を眺める事が出来そうだった。
夜になるまで俺は、よく遊んでいた公園、住んでいた家、通っていた学校と、思い出せる限り懐かしい場所を歩き渡っていた。
12: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:21:46.18 ID:SGK+dpDH0
陽が傾いてきた頃、通学中によく目にしていたが、結局食べに行くことはなかったラーメン屋で食事を済ませ、俺はまた要塞へと足を向けていた。
おねえさんには「夜入る時は別にあたしに声かけなくてもいいから」と言われていたので、そのまま二階に上がっていった。
13: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:36:13.23 ID:SGK+dpDH0
陽が落ちて三十分ほど経った頃、俺は寒さに震えていた。田舎の夜ってこんなに寒かったっけ。いや、そもそも俺は夜に外に出ることがほとんどなかったんだ。
何かカイロでも買っておけばよかった。そんな後悔をしながら窓穴から星空を見上げていると、鉄の軋む音と、靴音が耳に入ってきた。
14: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:44:28.44 ID:SGK+dpDH0
「夜食にカップ麺でも持ってきてやろうかと思ったけど、汁をこぼさないように上がるのは無理だと思ってね」
「いいですよ、別に。ラーメンならさっき食べてきましたし」
15: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:52:48.95 ID:SGK+dpDH0
ふぅん。おねえさんはそう呟いて、立ち上がった。
「お腹が空いたらうちに来なよ。カップ麺くらいはご馳走したげるから」
16: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:53:23.54 ID:SGK+dpDH0
これにて終了です。さすがにもう眠い
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/20(木) 11:24:36.24 ID:nhdrNTvao
いいね
乙!
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/20(木) 12:39:43.61 ID:K5R80N2B0
こちらシューティングスター!
乙は任せろ!!
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/20(木) 16:31:58.01 ID:rHa6HiODO
アンディー・メンテのゲームにもシューティングスターってのが居たな。だから何だって話だが
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