過去ログ - 【咲-saki-ss】加治木ゆみ「開けずの扉」
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2014/11/24(月) 21:24:11.83 ID:CCn7M9KF0
麻雀部として初めてインハイに出場し、準決勝へ進出し、そこで久達と出会い、結果負けはしたが悔いの残らない素晴らしい試合が出来た。
新学期が始まっても、夏の残暑と時折吹く涼しい風が私にあの時を、まるで昨日のことのように思い出させてくれる。そして、いつの間にか一ヶ月が経ち、涼風の心地よい季節になった。
あの夏は––––。
以下略
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2014/11/24(月) 21:25:05.60 ID:CCn7M9KF0
あまりの大きさに、睦月が耳を塞ぐ。蒲原はそれを見ると一瞬躊躇したが、睦月の私は大丈夫です、という返事を訊き再びドアノブを廻した。蒲原は扉を引く。錆び付いていたので重いのか、なかなか開こうとはしない。だが、感触はあるらしく、そのまま引こうとする。
数ミリ––––動いた。
やはり、扉は開く––––。
以下略
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2014/11/24(月) 21:26:50.74 ID:CCn7M9KF0
不愉快な騒音の最中に、聴こえる筈もない声が聞こえるなんて、別におかしくない。空耳という奴だろう。
だが。
すっかりその場はお開きとなった。
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2014/11/24(月) 21:27:22.60 ID:CCn7M9KF0
だけど私は。
ふと、学校の––––麻雀部の部室の方に振り返った。
こちら側からは、別の校舎の影になって見えないのだけれど。
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2014/11/24(月) 21:29:22.96 ID:CCn7M9KF0
忘れたふりをしているだけで––––忘れられなかった。
そんな思いも、雑多な日常の流れに身を流して気にしないふりをした。そうした方が良いと、私は何故か考えたのだった。
こうして、また時が過ぎて行く。
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2014/11/24(月) 21:30:58.04 ID:CCn7M9KF0
私は当然、予期せぬ呼び声にびくりとする。蒲原か––––いや、睦月か妹尾か。あるいは、
「どうしたんっすか。こんなところで––––」
桃子か。
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2014/11/24(月) 21:31:38.50 ID:CCn7M9KF0
でも。
秋のことなら、そんな昔ではない。
しかし、昔のことなのだ。
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2014/11/24(月) 21:32:04.53 ID:CCn7M9KF0
「開けずの扉は開けてはならない––––だから、開けずの扉」
ゆみ「知っていたのか?」
桃子はまた笑った。それは、優しく息を吹きかけるようであった。
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2014/11/24(月) 21:32:30.56 ID:CCn7M9KF0
ゆみ「なら、開ければ呪いも消えると言う訳か……」
「そうっすね。開ければ、呪いも消えます––––それが呪いなのですから」
誰に聞いたのだ。
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2014/11/24(月) 21:33:08.83 ID:CCn7M9KF0
ドアノブを握りしめる。
あの、ぎぃと云う扉の軋む不快な音が鳴り始める。
桃子は、以前くすくすと笑っていた。
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