過去ログ - 千種「目覚める女」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:37:59.56 ID:a4v2ARuR0
『水漏れですね。分かりました、直ぐに向かいます』
「あ、あの、初回の依頼なんですが……」
『はい、えーと如月千種さんですね。ご住所と電話番号を教えて頂いても?』

 人が訪れる事のない私の家だけに、他人に住所を教えるのは久しぶりの事かもしれない。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:38:36.26 ID:a4v2ARuR0

 漢字違い、とはいえ息子と同じ「ゆう」か。などと場違いな感傷にとらわれていた私をよそに、彼は仕事を始める。

「蛇口の水漏れという事でしたが」
「ええ、これなんですけれど」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/25(火) 02:39:07.24 ID:klNbkTBQ0
今夜のオカズが決定したな


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:39:08.56 ID:a4v2ARuR0
 交換をして、またシンクの下を弄ると……シンクの下には、蛇口の水を止めるための止水栓があるそうだ……蛇口をひねって見せる。

「はい、これでもう大丈夫ですよ」
「ありがとうございます、こんな夜遅くに」
「いえいえ、うちは24時間対応がウリですから」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:39:48.02 ID:a4v2ARuR0

 チラシにあった女性からのご依頼多数、という謳い文句はこの事も含めてなのだろうか。何とも下衆な商売を思いついた物でもある。
 とはいえ、それは結局偶にチラシに紛れ込む男性向けのサービスと大して変わりは無い訳で、それの女性向けがあること自体は何ら不思議な事ではないだろう。
 
「バカバカしい……」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:40:14.65 ID:a4v2ARuR0
「おはよう、如月さん」
「どうも……」

 先月の臨時の人事異動で隣の席の男性が地方支社へ転勤になった事に伴って、私の隣は暫くの間空席だった。しかし、今日からは違う。総務課一番の噂好きとも言われる女性が隣に来てしまったのだ。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:41:14.37 ID:a4v2ARuR0
「如月さん、今日は一杯、付き合って貰えるわよね?」
「あ……いえ、私は今日は遠慮しておきます……それじゃあ」
「あっ、如月さん!」

 金曜の夜だというのに、呑み屋に連れていかれてまで噂話を聞かされたのではたまった物では無い。未練がましく声を掛けてくる同僚の声を振り切り、エレベーターに乗り込むと昼間の噂の彼まで一緒に乗ってきたではないか。しかも、もう一方の当事者である営業課長も一緒に。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:41:51.82 ID:a4v2ARuR0
「ただいま……」

 誰が居るわけでもない家になってからも、必ずただいま、と言うのはそこに優の位牌があるからだ。
 どんなに忙しい時でも、毎朝と毎晩の蝋燭と線香だけは忘れずにあげている。その位しか、もう私があの子にしてあげる事は出来ないのだから。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:43:44.50 ID:a4v2ARuR0


 1時間後、と時間を指定したのは自分の中でも気持ちの整理を付けたかったのかもしれない。もしその間に気が替わればキャンセルをすればよし、でなくとも部屋を片付け、シャワーを浴びる時間が必要だろう。
 こんな感覚は何年振りだろうか。夫……いや、「元」夫との時でもこんな事は無かったのかもしれない。特に優を産んでからという物、元々淡泊だったあの人は私の体に触れる事も無かった。それが彼なりの生真面目さでもあっただろうが、寂しくもあった。
 ここ数年は自分で触れる事すらなかった秘部に、僅かな疼きを感じながら、単に汗を流す訳では無く男と肌を合せる為に、身を清めている。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:44:22.88 ID:a4v2ARuR0
 その瞬間、彼の目つきが鋭くなったように感じた。
 肩に手を居たかと思えば、そのまま強引にベッドに押し倒される。
 
「こういう事でしょう?」
「あっ、いや、その……」
以下略



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