51: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:33:21.91 ID:x2ueaAjJo
「残念、そっちはニセモノさ!」
そして、杏子の槍が魔女の体を両断する。
彼女はそれで魔女を倒した気になっている様子で、両手で首の後ろに槍を担ぎあげ、後ろを向いてしまう。
52: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:34:55.84 ID:x2ueaAjJo
「なるほど、幻惑の魔法。面白い力だわ」
襲うであろう痛みの代わりにそんな言葉と、ビシッ、というベルトを強く引っ張ったような音が彼女の耳を伝う。
53: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:36:16.98 ID:x2ueaAjJo
マミは杏子の体を引っ張り上げ、立たせる。
どうやら大事は無いようで、すんなりと起き上がることが出来た。
振り返り、魔女を観察するように睨みつけるマミは疑問を浮かべる杏子の方を向かずに言葉を続ける。
54: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:37:37.54 ID:x2ueaAjJo
そうして出会った二人は、志を同じくする者として、次第に中を深めていく。
時には一緒に出掛け、買い物をした。
帰りにはもちろん一緒に魔女を倒した。
55: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:38:58.50 ID:x2ueaAjJo
悲劇の始まりは、いつなのだろうか。
佐倉杏子は考える。こんなことになったのは、なってしまったのは何が悪かったのだろうか、と。
大本の原因は分かっていた。彼女たちが暮らす教会に魔女が結界を張ってしまったことだ。
56: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:40:40.49 ID:x2ueaAjJo
だんだんと追い詰めれられていく彼女は、いつしかマミともあまり会わなくなってしまう。
その行為がますます自分を追いつめてしまうとも気がつかずに。
けれども、それは仕方のないことだったのかもしれない。
57: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:42:20.63 ID:x2ueaAjJo
全てを失くしてしまった少女は、雪景色の中を一人で彷徨い歩く。
茫然自失とした彼女はそれでも、何かのために戦っていると信じたくて。
だけれど、信じられなくて、そしてそのままの精神状態で魔女と刃を交える。
58: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:43:21.90 ID:x2ueaAjJo
杏子のソウルジェムからグリーフシードが生まれ、魔女の結界が生成された。
59: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:45:05.21 ID:x2ueaAjJo
★★
魔女の姿は人馬一体。大きな槍を振るう女性的な流曲線。
60: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:46:24.88 ID:x2ueaAjJo
理性が、本能を凌駕する。
逃げろ。佐倉杏子を抱えて逃げろ。
(せめて遺体だけでも弔ってあげないと……、)
61: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:48:30.46 ID:x2ueaAjJo
走りながら一つ大きく息を吐きだす。
直後スカートの内側から怒涛の勢いでリボンを結界中にばら撒く。
そして、前方へと飛ばしたリボンの束が何かを掴むようにピィンと強く引かれる。
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