48:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:31:18.44 ID:sdjP5j9j0
『…わたしのいちご。もうとられちゃったんだ』
49:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:31:46.88 ID:sdjP5j9j0
店内には流れているクラシックが、突然大きくなったように聴こえた。
50:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:32:20.51 ID:sdjP5j9j0
わぁ。
今夜はこんなにお月さまがきれいだったのね。
51:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:32:55.02 ID:sdjP5j9j0
『いちごを だれかに とられちゃうのと
いちごを だれにも たべてもらえないのは
いったい どっちが かなしいかしら』
52:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:33:59.02 ID:sdjP5j9j0
どっちもおなじよ かなしいわ。
53:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:34:35.57 ID:sdjP5j9j0
第3話「サムデイ イン ザ レイン」
瞼を開けば眩しい光と共に透き通ったブルーの青空が…なんてそんなわけはなくて、
むしろさっきよりも勢いを増した雨粒が、激しく窓を打ち付けている。
54:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:35:12.20 ID:sdjP5j9j0
潰れる前に一度だけ、梓ちゃんと一緒にこの店に来たことがある。
「やめておきましょうよ。ゼッタイおいしくないですよ」
55:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:36:06.86 ID:sdjP5j9j0
そういうわけで、この店のラーメンの記憶をビールに書き換えることに成功している。
記憶の中で印象的なのは、所狭しとテーブルに並んだ、星マークの入ったビールジョッキ。
ちなみに最初文句を言っていた梓ちゃんは「意外にイケましたね。今度他のみなさんも誘ってきましょうか」なんて言っていた。
56:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:36:48.65 ID:sdjP5j9j0
目の前を自転車が走って行った。気がつくと雨はおさまっている。
わたしは軒先から出て歩き出した。
スーパーの閉店時間を過ぎた商店街には、人影が見当たらない。
57:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:37:31.96 ID:sdjP5j9j0
雨に濡れた道路わきには店内の灯りが漏れている。
店の外に出された棚には、雨よけの透明なビニールカバー越しに音楽雑誌が並べられているのが見えた。
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