26:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:26:08.04 ID:N1fLZgZO0
「あー……もしかして、また大変なことに巻き込まれた……?」
「はい、ですがすでに終わりました。ヒトミ=サン、あなたが無事で良かった……」
27:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:27:22.47 ID:N1fLZgZO0
「イヤーッ!」「グワーッ!?」
……どこからか飛来したスリケンが、トレードのフルフェイスメンポに突き刺さり、真っ二つに割る。もはや理解が
追いついていない表情を曝け出したトレードは、初めからそこにいたと言わんばかりに市民の中から姿を表した大男を
28:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:28:16.30 ID:N1fLZgZO0
『――本日のプログラムはこれで終了ドスエ。観客の皆様は荷物のお忘れ物がないか確認してからお帰り頂きたいドスエ』
すっかり日が暮れたキョートの夜、その冷たくも歴史ある厳かな空気に包まれるアヤメ達の無事を祝うように、今日の
イベントが終了したことを告げる合成マイコ音声が、しばらく辺りを満たし続けるのだった。
29:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:28:54.94 ID:N1fLZgZO0
「――失敗しただと!」
机を拳で叩いた男の名前はフクアカ・ウント。キョート市内に存在するトーチ・ボウエキ社のCEOであり、トレードに
ヒトミを誘拐させ、アヤメのイベントをニンジャクエストへと変貌させた黒幕である。
30:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:29:47.44 ID:N1fLZgZO0
(そもそも、あんな回りくどい方法でなくとも、私に全て任せてくれればすぐに交渉の場を整えたというのに)
346プロダクションにいる人材をいつでも好きに潰せること証明して、裏にいる人間を引きずり出す。そのためにこの
フクアカが考えた作戦を忠実に実行した結果の自分の身体の状態をもう一度見て、トレードは再びため息をつく。
31:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:30:43.19 ID:N1fLZgZO0
「な、なんだ貴女! どこから入った!?」
「扉からですよ。もしかしたら、あなた方には見えなかったかもしれませんが」
32:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:32:12.26 ID:N1fLZgZO0
「ト、トレード! どうしたんだよ! トレード!」
いつも冷静沈着、そしてなによりニンジャである腹心が本気の絶叫を上げて失神した姿を見て、フクアカは失禁する。
彼が一体なにを見たのか、そしていきなり現れたこの女はなんなのか。心臓が早鐘を打つのが分かる中、それでも
33:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:32:56.04 ID:N1fLZgZO0
「馬鹿になどしていませんし、もう一つ。346プロダクションの意思を伝えます。今後もこの事業は我々が独占し、他に
譲るつもりはありません」
「な! それじゃ交渉じゃないじゃないか! 本当になにをしに……」
34:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:33:46.25 ID:N1fLZgZO0
それはどういう目に合わせるかということを暗に示してる発言であったが、もはやチヒロの視線に魅入られた
フクアカにはその言葉の真意をつかむほどの知性は残っていなかった。彼の心臓の鼓動はさらに早くなる。
「これが今回私がここに来た理由です。さて、なにか質問はありますか? 最後に一つだけお答えしますよ」
35:名無しNIPPER[saga]
2015/02/22(日) 03:35:18.16 ID:N1fLZgZO0
――次の日。配られた新聞には、アヤメ達のイベントの成功記事が紙面を大きく飾ると共に、キョートのとある企業の
社長が謎の死を遂げたとの記事がひっそりと載るのであった。
〈終〉
36:名無しNIPPER[sage]
2015/02/22(日) 03:37:49.46 ID:GQhG0s0AO
オツカレサマドスエ
アイエエエ…チヒロ=サンコワイ
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