20:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:51:51.33 ID:eIfs/RqE0
「急にすみません。お休み中でしたよね…?」
「いや、全く。俺も眠れなくて困ってたんだ」
21:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:53:32.29 ID:eIfs/RqE0
「…お茶でも煎れるわ」
「でしたら、私が」
22:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:55:24.84 ID:eIfs/RqE0
「実家を… 岡山を出てから、もう大分経ちますね」
「え…? ああ、そうだな」
23:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:57:20.80 ID:eIfs/RqE0
「それでも… 偶に寂しくなることがあるんです」
「………」
24:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:59:01.36 ID:eIfs/RqE0
「寂しい、か」
「…すみません。プロデューサーにはこんなによくしてもらっているのに」
25:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:00:22.50 ID:eIfs/RqE0
どんな出来た人間にだって望郷の念はあり、それこそ当たり前の感情だ。
肇だって例に漏れない。漏れるはずがない。
26:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:02:20.98 ID:eIfs/RqE0
「プロデューサーは本当に優しくて、それで祖父の事を思い出して…」
「………」
27:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:05:21.27 ID:eIfs/RqE0
俺はただ肇の言葉を待った。
急く様な話題でない事は自明だし、待つのを苦に感じる事も無かった。
28:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:07:06.68 ID:eIfs/RqE0
肇の肩を掴んで力ずくでこっちに向きなおさせる。
常では考えられない乱暴な動作だったが、今の肇は常態では無く、ただ一人、普通の女の子… 藤原肇としてだからそれも厭わない。
29:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:09:18.39 ID:eIfs/RqE0
望郷の念に焦燥する肇に何か言ってあげたくて、肩を掴んだまま向き合っていた。
だけど、情けない事に、こんな時にでも俺の口からは上手い文句は生まれてこない。
30:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 02:11:07.88 ID:eIfs/RqE0
肩に置いていた手をそっと背に回した。
「じいちゃんの代わりじゃない… 俺を頼ってくれよ」
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