過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
↓ 1- 覧 板 20
17:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:35:48.26 ID:JxUSEnW0o
「な、泣いてるの……!? 何かあったの?」
「ん、いや……違くて……!」
18:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:36:16.71 ID:JxUSEnW0o
〜
「本当はこういうときは喫茶店とかの方がいいのかもしれないけど……私まだ中二だし、お金もあんまり持ってなくて。だからごめんなさいなんだけど」
19:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:36:45.67 ID:JxUSEnW0o
みんなと遊ぶときでなくとも、撫子と付き合う中でよく来たものだ。ここは、私たちが二人きりになれる限られた貴重な空間だった。
付き合いだした当初は「うちは妹とかその友達がたくさんいるから、私がめぐみの家に行くよ」とあまり誘ってもらえなかったのだが、時間が経つにつれてだんだん寛容になり、次第に「私の家に来てほしい」とも言うようになっていった。
20:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:37:13.99 ID:JxUSEnW0o
「ちょーっとだけ片づけるから、ベッドで座って待ってて?」
櫻子の部屋はちょーっとではなく、そこそこちらかっていた。読んだら読みっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなしという痕跡が見受けられる。
21:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:37:45.82 ID:JxUSEnW0o
「……ねーちゃんと、何かあったの?」
「…………」
「あ、いや、言いづらいならいいんだけど……あんなに泣いてるとこ初めて見たからさ。なんか……どうしたのかなって」
22:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:38:12.98 ID:JxUSEnW0o
「櫻子ちゃんは知らなかったと思うけど……付き合ってたの。私たち」
「付き合ってた……?」
23:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:38:40.82 ID:JxUSEnW0o
「……って、私も……」
「な、なに?」
24:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:39:12.56 ID:JxUSEnW0o
「……あ、ああごめん。それで?」
「それで……」
25:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:39:55.46 ID:JxUSEnW0o
そんなことは私にとってどうでもよかった。誰と何人と付き合っていようが、撫子を嫌いになる原因にはまったくなり得ない。むしろそうやって培われた部分も含めての大人っぽい撫子が、私は好きだったのかもしれない。
けれどもし撫子にとって私が初めての彼女でなかった場合、撫子にとっての彼女というものは、きっと私が考えてるもの以上に……軽い。
26:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:40:27.96 ID:JxUSEnW0o
「本当はね……私の気持ちを受け止めてくれるだけでもありがたかった。だって、こんな恋は普通叶わないもの」
「高校生活を通して、撫子は私に夢を見させてくれた。本当に最高の毎日だった。最高の彼女に出会えたこと、最高の人の彼女になれたこと、今でも忘れられない」
27:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:41:07.59 ID:JxUSEnW0o
「さっきの桜の下が……別れたところなの。だから……櫻子ちゃんが来てびっくりしちゃって……櫻子ちゃんが撫子に見えて、止まらなくなっちゃって……」
「…………」
94Res/85.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。