1:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 16:48:16.30 ID:5f1jLFQY0
私は今、空を見上げている。
随分歳を取ったものだ。
幼き頃の面影はなく、髪も腰まで伸びた。
たくさんの戦いの日々と、たくさんの死を目にした。
ずっと一人ぼっちは心細かったけれど、それでも私を必要としてくれた人がいたので、それは嬉しかった。
司令とお別れして、もう何十年立つのだろう。
幼き頃に抱いた恋心を貫いたのはいいけれど、私はもうこんなに老けてしまった。おかげで嫁の貰い手はなさそうだ。
「……」
この広い青空の向こうには、何が私を待っているのだろう。
天国や地獄といった世界を信じている訳ではない。また、信じるつもりもない。
それくらい、私は現実が残酷であると知っている。
皆私を置いていく。
必ず生きて戻ろうね、と約束した皆は、私を残し先に逝ってしまった。
残っているのは私か、若しくはロシアにいると思われるあの子。
今は連絡すら取る手段もない。
無事なのかどうかすらも、もう分からない。
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2:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 17:00:03.62 ID:5f1jLFQY0
「……丹陽」
3:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 17:13:42.84 ID:5f1jLFQY0
「……」
4:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 17:25:58.22 ID:5f1jLFQY0
「……ごめんね……君を最後まで……守りきることが……」
5:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:18:22.29 ID:5f1jLFQY0
「君の泣き顔、初めて見たよ」
6:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:19:20.64 ID:5f1jLFQY0
「……」
7:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:19:49.02 ID:5f1jLFQY0
8:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:20:51.88 ID:5f1jLFQY0
私の周りには、真っ暗闇の空間の中に白い煙が舞っていた。
9:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:22:00.04 ID:5f1jLFQY0
「うあぁ……!」
10:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:22:55.44 ID:5f1jLFQY0
「……皆、貴方を待ってたのよ。雪風」
11:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:23:45.29 ID:5f1jLFQY0
「……しれぇ……」
12:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:24:32.24 ID:5f1jLFQY0
「……さあ、次は響を迎えに行こう」
13:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:25:19.34 ID:5f1jLFQY0
「うふふ」
14:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:25:53.20 ID:5f1jLFQY0
「……おかえり。雪風」
15:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:34:38.97 ID:5f1jLFQY0
16:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:36:04.11 ID:5f1jLFQY0
雪風の境遇を思うと書かずにはいられなかった。
彼女に敬意を。
そしてこれまでの幸運を上回る幸運を。
17:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:56:06.07 ID:kbkZ9NVSo
良い話だった、乙
18:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:58:18.24 ID:YXx85G18o
乙です。いい話でした
19:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 19:11:13.07 ID:AfjMmyESo
うわあああ乙だああああ
20:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 19:13:52.17 ID:HpgcB7QQO
おつでした
目から汗出た…(´;ω;`)
21:名無しNIPPER
2015/03/31(火) 19:25:18.48 ID:7X6X+MsuO
大和役は比叡でも良かったかも?
と思ったが、それじゃ雪風は甘えられないもんな
これはグッド乙
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