過去ログ - インデックス「――――――あなたと、私」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:01:10.22 ID:YJZuZ5vJ0
細い通路だった。
その両側は本棚によって壁となっていて、ぎっしり並べられた本は一体何冊あるのか想像もつかない。
真っ暗というわけではないが薄暗い空間で、通路も本棚もまるで何年も放置されていたように汚れに塗れ埃が積もっている。
そんな場所にインデックスは立っていた。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:01:44.79 ID:YJZuZ5vJ0
「……どういうこと、なのかな」

歩いてみる。本棚が一部スライドするように移動し、そこに隠されていたドアが出現していた。
横幅が酷く狭い部屋だった。インデックス一人でほぼ埋まってしまう程度しかない。
だが前方にはある程度のゆとりがあり、数歩先のところに底の見えない巨大な穴がぽっかりと空いていた。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2015/04/20(月) 00:01:49.21 ID:oob/X6CGo
ほお


5:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:02:36.78 ID:YJZuZ5vJ0
少しするとギィィィ……という軋んだ音と共にドアが開いた。
おそるおそるインデックスは隙間から顔を覗かせ、外の様子を窺う。

「……誰もいないかも」

以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/04/20(月) 00:03:02.10 ID:5oQosmXp0
期待


7:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:03:47.69 ID:YJZuZ5vJ0
「……ごめんなさい。でも……」

直後だった。天井から吊り下げられているスピーカーからあの声が流れ始めた。

『そして、歩いてくるなりナイフで母の胸を一突きにしたそうです』
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:04:13.34 ID:YJZuZ5vJ0
『警察は相次ぐ一連の事件に関連性はないとしながらも、平均的な家庭を取り巻く社会的問題と切り離して考えるのも難しいとの見解を発表しました』

インデックスは何かを言おうとして、だが何も言えずに。
ただ黙って白紙の無題の本を本棚へと戻して歩き、階段を降り、扉を開けた。
やはり同じ通路が延びていたが、それにはすぐに気付いた。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:06:07.18 ID:YJZuZ5vJ0
『献身的な子羊は』

短いが覚えのある一文だった。
インデックスは引き継ぐようにしてその続きを口にする。

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:07:26.36 ID:YJZuZ5vJ0
そして実際に、インデックスの体を血が上り始めた。
部屋中に流れていた血が全てインデックスを呑み込もうとしているかのように。
悲鳴をあげる。だが血は止まらずそのまま頭までを呑み込んだ。
そんな状態でインデックスは必死に声にならない声を張り上げた。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:08:48.92 ID:YJZuZ5vJ0
「……そう。でも、でも……」

インデックスは目を伏せる。
絵画はまだまだ無数にあって、とても全てを見ることなど不可能だった。

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/04/20(月) 00:09:59.82 ID:YJZuZ5vJ0


そして、その空けられた穴から――――


以下略



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