1: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:00:23.82 ID:+o0lHeNe0
つい最近世界は生まれ変わった。
王子が訪れたのは無人の城。
王子の胸は、冒険心でウズウズ落ち着きがなかった。
王子「おおぉ〜、これが魔王の玉座かぁ〜!」
主を失った玉座に腰掛け、威張ったポーズを取ってみる。
つい先日まで、人間と争っていた魔王。
今は亡き魔物達の王は、毎日ここで、この光景を見ていたのか。
王子「さーてさて」
そんなちょっとした魔王ごっこもすぐに飽き、彼は城内を駆ける。何か他に面白いものはないか――そんな期待を抱きながら。
王子「…ん?」
ふと、窓の外を見た。
少し離れた所に、塔がそびえ立っている。
王子「何だ…あの塔?」
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2: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:01:05.89 ID:+o0lHeNe0
王子「うーん、鍵かかってるな」
塔の前まで来たが、その扉は開かなかった。
塔の周辺をぐるぐる回ってみる。他に入り口はない。
3: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:01:38.95 ID:+o0lHeNe0
王子「よいしょ、よいしょっと」
王子は外壁の凹凸を上手く利用して、塔をよじ上っていた。
目指すはてっぺん。そこには小窓があったのだ。
4: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:02:25.71 ID:+o0lHeNe0
姫「…どなた?」
王子「…」ポカン
質素な部屋の片隅には、王子と同い年位の少女がいた。
5: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:03:25.48 ID:+o0lHeNe0
姫「美味しい…グスッ、今まで生きてきた中で1番美味しい」パクパク
王子「いやぁ…ただの即席おにぎりっすよ?」
姫「ありがとう、ありがとう…3日も食べてなくて」グスグス
6: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:04:23.96 ID:+o0lHeNe0
姫「私は呪われているのです」
姫はそう言うと、全開の小窓に向けて手を差し出す。
だがそこには見えない壁があるかのように、姫の手は途中で止まった。
7: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/11(月) 17:05:51.53 ID:+o0lHeNe0
初回はここまで(´・ω・`)
男主人公で書くのめっさ久々なので、女々しくならんよう気をつけます。
8:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 17:11:14.07 ID:4TqAiPgyO
おつおつ、期待
9:名無しNIPPER[sage]
2015/05/11(月) 18:33:00.79 ID:vif3eIO+o
お、貴方か
10: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:40:44.26 ID:tcuIPDrV0
が。
魔法使い「何じゃこりゃ。わけわからんですわ」
王子「何ィ!?」
11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:41:28.19 ID:tcuIPDrV0
姫「王子様は優しいのですね…素性もわからぬ私を助けようとして下さるなんて」
王子「何をおっしゃる。困っている人がいたら助けるのは当然でしょう」
王子は自信満々に答える。
12: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:42:01.84 ID:tcuIPDrV0
姫「すみません…私、友達ってよくわからなくて」
王子「あっ、俺と会ってくれるだけでいいんです。それで色々お話できれば」
姫「会ってお話する…それが友達?」
13: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:42:53.47 ID:tcuIPDrV0
>翌日
王子「〜♪」
数日分の食料を背負った王子は、鼻歌を歌いながら外壁をよじ上っていた。
14: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:43:28.52 ID:tcuIPDrV0
姫「それで王子様…お友達って、お話をするんでしたっけ…?」
王子「そうでしたね」
王子(いかん、自分が言ったことを忘れていた。でも「姫様をじっと見ていられるだけでいいんです」なんて、口が裂けても言えるか)
15: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:44:17.22 ID:tcuIPDrV0
王子「俺の国は小国だけれど、勇者を生んだ国ってことで今大注目で〜」
姫「勇者…魔王を討った方ですね」
王子「そうそう。一応俺は勇者と幼馴染でもあるんです。で、勇者は俺の姉様と恋仲でもあり、近々結婚すると思う」
16: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:44:58.81 ID:tcuIPDrV0
姫「う、ふふふっ」
しばらく話すと姫の緊張感も大分溶けたようで、姫は口元を抑えて大笑いする様子も見せた。
姫「王子様って、とても好奇心旺盛で、色んなことを知っていらっしゃるのね」
17: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:45:40.78 ID:tcuIPDrV0
>翌日
姫(面白いものって何だろう)
姫は王子が来るまでの間、身支度を整えていた。
18: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:46:28.89 ID:tcuIPDrV0
王子「髪型変えたんですね。涼しげでいいですね」
姫(気付いてくれたっ!)
王子「あれ、もしかして髪飾りを選んでいた所ですか?」
19: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:47:00.36 ID:tcuIPDrV0
王子「そうだ。それで今日はこれを持ってきたんです」
姫「カードですか…?」
王子「はい!これなら屋内でも十分遊べます!」
20: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:47:34.76 ID:tcuIPDrV0
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姫「ああぁ〜、わからなくなりましたーっ」
21: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/05/12(火) 16:48:07.86 ID:tcuIPDrV0
王子「そうですね…」ズキズキ
王子(マジで神経が衰弱した…)ズヨーン
姫「あ、もう暗くなってました!すみません王子様、こんなに長時間付き合わせてしまって!」
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