816: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:01:37.51 ID:+RjyVImDO
「したくてしてるんじゃない」
目を輝かせたシャーリーがぐいぐいと近づいてきて、ライは困った表情のまま後ずさる。かなりの圧力だった。
817: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:03:23.11 ID:+RjyVImDO
「なによ。変なの」
シャーリーは頬を赤くし、それを隠すように早足になる。前を歩く彼女の背中を眺めながら、ライはトウキョウ租界の街並みに意識を向けた。
818: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:04:55.00 ID:+RjyVImDO
「前に、私がここで声をかけたでしょ。ほら、日記帳を一緒に選んでって言ったやつ」
彼女の言おうとするところが分かったライは頷いた。
819: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:06:01.20 ID:+RjyVImDO
「そんなに変わっていないだろう」
「変わったよ。ここで話しかけた時とか、凄く近寄り難かったもん」
820: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:08:22.99 ID:+RjyVImDO
「でも、それ以上にキミが優しいからだと思うよ」
「……ユニークな意見だな」
821: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:10:10.42 ID:+RjyVImDO
「ふむ……」
「苦手な人だっているし、嫌いだったヤツもいたし……」
822: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:12:23.71 ID:+RjyVImDO
「だってほら、ルルとかカレンみたいな気難し屋さんと仲良くなってるじゃない」
「……確かに、あの二人は気難しいな」
823: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:13:47.44 ID:+RjyVImDO
それで痺れを切らし、周囲に働きかけたのだろう。生徒会で運動部に入っているのはシャーリーだけだ。
「だから、もし良ければ……だけど、水泳部に入ってみない?」
824: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:15:24.99 ID:+RjyVImDO
「水泳部良いじゃん。楽しいよ。それにほら……み、水着姿の女の子もいっぱいいるよ?」
羞恥心をこらえながらシャーリーが言ってくる。顔が赤いのは夕日のせいだけではないのだろう。
825: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:17:16.47 ID:+RjyVImDO
「あっ……!」
しばらく歩き、目的地のショッピングモールも間近という時だった。またも何かに気づいたシャーリーが通り過ぎようとしていた店のショーウィンドウに駆け寄る。
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