980: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:45:40.91 ID:vkOYs0mDO
 呆れた表情のルルーシュが扉の近くに立っている。明らかに眠そうだ。朝からミレイに襲撃され、無理やり連れてこられたのだろう。 
  
  
 「横暴じゃないでしょ。あのライよ? 無表情で無表情でどうしようもない最強の朴念仁が驚いたのよ? 撮らなくてどうするのよ?」 
  
981: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:47:24.91 ID:vkOYs0mDO
 「はい」 
  
 「理由を聞いておこうかしら」 
  
 「記憶探しのためです。租界の中はほとんど散策したので」 
982: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:48:58.47 ID:vkOYs0mDO
 「……とんでもないわね、あんた」 
  
  
 ミレイは咎めるわけでもなく、感心したような様子だった。ライはどうしていいかわからず、ルルーシュの方を見た。目を閉じている。 
  
983: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:51:12.42 ID:vkOYs0mDO
 「下手をしたらミレイさんに、カレンの葬儀の話をしていたかもしれません」 
  
  
 膝の上で組んでいた手に力が込められる。ミレイが言葉を失い、ルルーシュもその瞳を開けた。 
  
984: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:53:35.67 ID:vkOYs0mDO
 「でも、そんな事にはなってないじゃない?」 
  
  
 「僕は危険性の話をしています。たった一か月でこれなんだ。また何か起きたとしても不思議じゃない」 
  
985: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:55:05.16 ID:vkOYs0mDO
 ミレイは瞑目しているが、その眉間には深いシワが刻まれていた。心なしか頬がひくついているようにも見える。 
  
  
 「前から感じてたんだけど、あなたって私たちの事を馬鹿だと思ってるでしょう?」 
  
986: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:56:42.90 ID:vkOYs0mDO
 ──僕は、普段からそんなに変だったのだろうか── 
  
  
 「あんたがカレンを置いて逃げたとか言ったら、温厚で上品なミレイさんでもぶちギレてたかもしれないけどね」 
  
987: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/06(日) 23:58:01.56 ID:vkOYs0mDO
 『そこの』呼ばわりされても、ライはうわの空だった。 
  
  
 「それで、怪我とか無かったの?」 
  
988: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/07(月) 00:01:58.79 ID:Cup4H5wDO
 「僕だって馬鹿じゃありません。配慮くらいしました。保健室にはベッドを仕切るカーテンがありますから、そこの中へ誘導しようとして……」 
  
  
 「ああもう。分かった、分かったわよ。分かったからもうそれ以上、罪を重ねないで」 
  
989: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/07(月) 00:13:07.41 ID:Cup4H5wDO
 今回はこの辺で。短かったので投下しちゃいました。 
  
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