過去ログ - ほむら「告別」
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104:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:41:46.40 ID:PVCiXxqLo

 それで少しだけ安心してもらえたようだけど。
 しばらくして、何で怒らせたの、と聞かれた。
 答えづらくて黙っていたら、はあ、と溜息交じりに言われてしまう。

以下略



105:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:43:26.84 ID:PVCiXxqLo

 巴マミはあたりを改めて見渡しつつ、そう言った。
 この病院を全フロア見てきたと。
 下手をしたら魔女の結界よりもよほど不気味ではないかと思うくらいのこの空間を。
 ……お互い、麻痺しているな、と思う。
以下略



106:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:44:21.75 ID:PVCiXxqLo

「最初は何ともなかったんだけど。
  少し前あたりから、いきなり臭い出して……もう、息をするのも辛いわ」

「どのくらい?」
以下略



107:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:45:09.28 ID:PVCiXxqLo

「……そう」

 会話を打ち切って、歩きだす。
 慌てて、巴マミが付いてくる。
以下略



108:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:46:10.82 ID:PVCiXxqLo

 上階とは違い、灯りらしい灯りがどこにもない地階。
 ほぼ真っ暗に近い世界。
 その中を私たち三人が歩いている。

以下略



109:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:47:21.39 ID:PVCiXxqLo

 あっけらかんと答える様子に、強がっている感じは見られない。
 やっぱりどこか、慣れというものがあるのだろうか。
 ただ、巴マミはそこで言葉を切らなかった。

以下略



110:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:48:17.62 ID:PVCiXxqLo

 霊安室。
 そう書かれたプレートが、ぼんやりと光っていた。

 ぽたり。
以下略



111:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:50:19.26 ID:PVCiXxqLo

 負圧になっていたのか、中から大気が噴き出してきた。
 風の源は間違いなくここだった。
 強烈な勢いに、足に力を入れて踏ん張らなければ、飛ばされてしまいそうだった。
  
以下略



112:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:50:56.99 ID:PVCiXxqLo

 私と巴マミは、足を部屋の中へと進めた。
 お互いに言葉をかけることもなく。
 ただ直感的に、そうしなければならないと感じていた。

以下略



113:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:52:02.94 ID:PVCiXxqLo

「暁美さん」

 何かの塊が見えた。
 
以下略



114:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:53:03.27 ID:PVCiXxqLo

 言葉は無かった。
 ただ、重い空気とよどんだ臭いは、ここが終点であると雄弁に語っていた。
 
 私も巴マミも、動けない。
以下略



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