15: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:02:05.07 ID:9XTpaLhVo
  
 僧侶「いえいえ。私は好きですよ、その二つ名――それに、とても格好良く思います」 
  
 どきり。 
  
16: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:02:33.86 ID:9XTpaLhVo
 僧侶「でも貧民街のみんなの為に、そんな贋作以外は大体を売却してしまうんですよね」 
  
 盗賊「くっ……そう、だな。値にならないもの意外は、売っ払う……」 
  
 話を反らしたかったのに、反らさせてくれなかった。なんと、手強い女だろうか。 
17: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:03:12.47 ID:9XTpaLhVo
  
 旅を続けて半年近く。新たに仲間が増えた。エルフの里を訪問した際、一人のエルフを魔物同士の抗争から救った。 
 それを機にエルフの里は魔王軍へ反旗を翻し、その使者として彼女――魔法使いを仲間として迎え入れる様に彼らに頼み込んだ。 
  
 魔法使い「ねえ、盗賊さん。勇者様と、僧侶さんってデキてるの?」 
18: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:03:45.60 ID:9XTpaLhVo
  
 魔法使い「私はさ、勇者様に助けられて、魔王に歯向かう事を決めたからね……ちょっと、妬いちゃうなあ」 
  
 盗賊「お前、勇者のこと?」 
  
19: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:04:26.07 ID:9XTpaLhVo
  
 その日の晩、魔王城までの進路が決まった。 
 その日から道中の魔物は格段に強さを増していった。 
  
 勇者は剣技は勿論のこと、魔法もめきめきと上達していった。 
20: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:04:55.04 ID:9XTpaLhVo
  
 ある日の晩の出来事だった。 
 その日はとても月が綺麗で、相変わらず勇者は鍛錬に出かけていた。 
  
 盗賊がぼんやりと、夜風に当っていると女部屋の扉が開く。 
21: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:05:21.81 ID:9XTpaLhVo
  
 ―――やるべき事を、やればいい。 
  
 勇者と僧侶が戻って来たのを確認した後、盗賊は夜明け前の街へ繰り出していた。 
 目標はやはり腐った貴族。己が利益の為に、人類に牙を剥く外道。 
22: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:06:04.17 ID:9XTpaLhVo
  
 魔法使い「……人間も、人間を殺すんだね」 
  
 盗賊「そうだ。人間が必ずしも、魔族の敵と言うわけではないという事だな」 
  
23: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:06:40.34 ID:9XTpaLhVo
  
 魔法使い「……知ってるの、二人は」 
  
 盗賊「勇者はとうの昔に感づいている。何度かそれとなく咎められはしたけどな」 
  
24: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:07:24.83 ID:9XTpaLhVo
  
 勇者「―――大雷撃魔法!」 
  
 魔法使い「いっけーっ! 大火炎魔法っ!」 
  
25: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:08:44.63 ID:9XTpaLhVo
  
 遡ること数時間前。 
 盗賊の早朝、一番の早起きだった。村はやけに活気がなく、人っ子一人出歩いていない。 
 不審に思いながらも宿屋から出ると一人の男に声をかけられた。 
  
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