118: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:33:51.85 ID:/aoxDJVuo
呪術師「……妹と、はじめて出会ったのは?」
うーん、と少し考える。確か、冒険者ギルドではなくて―――。
119: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:34:22.86 ID:/aoxDJVuo
犬勇者「―――――……って、感じだ。だから、ぶっちゃけ今話せて……すげぇ、嬉しい」
そう、本当に嬉しい。犬になってから長い間、人と話した事はなかった。
身近に呪術師がいながらも、意思疎通の出来ない状況は正しく孤独だったと言える。
120: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:34:49.14 ID:/aoxDJVuo
廃砦から持ち帰った、書物を呪術師が見せてくる―――それは、呪術の才覚のない野盗にも扱える呪術書。
呪術師「この書物を経由する事で、呪術の才覚なしに発動出来る。仕組みとしては魔術に近くしている」
「私にさえ、そうした仕組みは作れない。間違いなく、私よりも上級の呪術者……かなり、厄介」
121: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:35:14.91 ID:/aoxDJVuo
@犬化の呪いは魔女にしか解呪できない。
呪術の波長の問題だ。上級呪術になるにつれ、術者にしか解呪は不可能になる。
加えて人間を他の存在に変える呪術は神代の時代に失われたはずで、魔女にしか扱えないと考える。
魔王ももしかしたら使えるかもしれないが、実現の可能性は低いが魔女に解呪させるのが一番確率は高い。
122: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:35:40.61 ID:/aoxDJVuo
犬勇者「とりあえず……まあ、なんだ。色々、悪かったな」
呪術師「……仕方がない。それよりも、ありがとう。助けに来てくれないと、流石に死んでいた」
123: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:36:06.48 ID:/aoxDJVuo
犬勇者「ごめん! 悪かった!」
呪術師「それに、私の……く、唇まで……!」
124: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:36:32.27 ID:/aoxDJVuo
犬勇者「なんつーか……お前には、負い目もあるわけで。魔法使いの件もあるから……」
だから。
125: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:37:01.11 ID:/aoxDJVuo
―――――かぽーん。
犬勇者「…………」
126: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:37:57.63 ID:/aoxDJVuo
呪術師「私が、好きなのは勇者。それがどんな形になっても、好き……それを、否定しないで」
「妹だとか、犬になったとか……それはこれから、解決していける問題。そもそも、勇者に非なんてない」
犬勇者「いや、でもさ……」
127: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:38:47.30 ID:/aoxDJVuo
呪術師「私が勇者を打ったのは、悲しかったから」
「私に迷惑だとか、私を関係ない人間みたいに言わないで欲しい」
犬勇者「でも……」
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