38:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:00:36.59 ID:XKRiySpR0
「……………………」
遅れてきた男、目にも止まらぬ箸さばき。皿に盛られた料理の減る速さが二倍増しに。
のみならず、頃合いを見計らって追加の酒を持ってきた女将にお代わりを要請。老公、響、二人して呆気にとられている。
39:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:02:46.75 ID:XKRiySpR0
断られたことに気を悪くした様子もなく再び食事に集中する男。
何故御大はこの少女に酌をさせようとしないのかといった文句なし、気配なし。
やがて、男が三度の酌をしようと徳利に手を伸ばそうとしたところで、老公がそれを寄越すよう手振りで示した。
40:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:05:13.56 ID:XKRiySpR0
「お、御大将」
「……うん? どうした」
41:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:07:53.31 ID:XKRiySpR0
「すみません。少し席を外させていただきます」
「ああ、うむ。ゆっくりしてまいれ」
42:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:08:51.81 ID:XKRiySpR0
「お孫さんでは、ないですよね」
「ああ」
43:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:11:08.81 ID:XKRiySpR0
「なんだ貴様、儂の言を疑っておったのか」
「先生のお人柄については全般信用しておりますとも。ただ、内容が内容ですから」
44:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:12:41.17 ID:XKRiySpR0
「初顔合わせからはもう一年ほどにもなるが、つくづく思い知った。
とても兵器としては扱いがたい。彼女らにはれっきとした人格が備わっている」
「わたしも、そのように感じました。体温だって人となんら変わりなかった」
45:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:15:57.28 ID:XKRiySpR0
「彼女たちが上から重用されることで、兵士たちとの軋轢が発生すると?」
「少なからず反発はあると見ている。
逆に軽んじられれば、今度は無茶な作戦で使い潰されることにもなりかねんのだがな。
46:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:18:37.04 ID:XKRiySpR0
「儂も門外漢で詳しい仕組みはわかっとらんのだが、
先般開発された『デンシン』は彼女たち『艦娘』を支援する上で、欠かせぬものなのだと聞いた」
「はい。現場での大まかな連携のみならず、不測の事態で指揮系統が乱れるなどした際、行動を一体化させるのには大いに役立つかと」
47:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:20:55.69 ID:XKRiySpR0
「左様であるなら一席設けた甲斐もあった。とにもかくにも、まずは深海棲艦に打ち勝つ力を蓄えねばならん。
要となるのは各提督、各司令官の指揮に相違ないが、常勝体勢を築くために必要なことはまだまだ山とある」
「その話に関連して、二点ほど確認したいことがあるのですが、よろしいですか」
48:乾杯 ◆ziwzYr641k[sage saga]
2015/08/21(金) 23:24:39.90 ID:XKRiySpR0
「その、彼女たちを指揮する提督たちとお会いすることは――」
「それは無理だ。少なくとも当分の間は」
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