過去ログ - 卯月「プロデューサーさんの、本当の幸せを」
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2: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:35:09.35 ID:20TbIrfu0
幸子
「ぷ、プロデューサーさん……あのウワサって、ほ、本当なんですか……?

 なんのことだって……そんなの決まってるじゃないですか。プロデューサーさんが事務所を辞めるってウワサです。

以下略



3: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:36:11.36 ID:20TbIrfu0
 結局、頭をくしゃくしゃにされてしまいました。ボクがカワイすぎるのもいけないとはいえ、本当に仕方のない人なんですから、プロデューサーさんは。

 レッスンの後は喫茶店で勉強です。コーヒーの味はよくわかりませんが、いつ来ても人が少ないのでイマイチ美味しくないのでしょう。ですからファンの方たちに騒がれる心配もありません。ただ喫茶店に着くまでは人目がありますから、ボクもちょっと変装してカワイイオーラを隠すんですけどね。能ある鷹はツメを隠すんですよ。

 喫茶店に着いたら予習と復習です。勉強用のノートと清書用のノートを広げて、カバンから取り出したのは革のペンケース。プロデューサーさんにもらった大切なプレゼント。その日の授業を思い出しながら、真っ白なページに時間をかけてゆっくり書きこんでいきます。
以下略



4: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:36:52.38 ID:20TbIrfu0
  『Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き
   Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き
   Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き
   Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き
   Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き Pさんが好き
以下略



5: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:39:03.78 ID:20TbIrfu0
 1ページを使ったところで、そろそろ万年筆のインクがなくなりそうなことに気付きました。代えのインクは寮の部屋です。ボクとしたことが、プロデューサーさんのウワサでうっかりしていました。あと9ページ書かないとおまじないにならないのに……仕方ありません、足りない分はボールペンを使うことにしましょう。

 ボクは心行くまでプロデューサーさんへの想いを書きつづった後、手帳をしまいました。ちなみにこれで11冊目です。このペースだとプロデューサーさんと結婚するころには200冊以上になるかもしれません。ボクとしては100冊を超える前には結ばれたいのですけど、仕方ありませんね。だってプロデューサーさんは女性の扱いが下手ですから。ボクがしっかりリードしてあげないといけないんです。

 寮に戻った後、ボクはインクを買いにデパートに行きました。アイドルとして大人気のボクにはあまりまとまった時間というものがないので、買えるときに買い足しておかないといざという時に困るのです。通販で注文するという手もありますが、あの万年筆はプロデューサーさんとボクだけの絆ですから、なるべく余計なモノは関わらせたくありません。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/08/24(月) 01:39:25.60 ID:tQ9CCCviO
すこしだけ重い(重いとは言ってない)


7: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:39:52.29 ID:20TbIrfu0
幸子
「…………………………プロデューサー、さん」

 その背中が見えなくなってから、ようやくボクは立ち尽くしていたことに気付きました。あわてて電話をかけます。

以下略



8: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:40:52.64 ID:20TbIrfu0
幸子
「ダメ、ですよね? アイドルがプロデューサーさんとデートなんて……ダメですよ……そんなの……」

留美
「そうね。でも幸子ちゃんが見たのは、本当にデートなのかしら?」
以下略



9: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:41:38.87 ID:20TbIrfu0
留美
「着いたわ」

幸子
「送っていただいてありがとうございます。それじゃあ、お休みなさい」
以下略



10: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:42:29.19 ID:20TbIrfu0
 そんなわけがありません。あるわけがありません。留美さんがネクタイピンを取って、きっちり結ばれたネクタイをほどいて、シャツのボタンを外して、まだ誰も見たことのないプロデューサーさんの首筋にキスするなんて、あるわけがないじゃないですか。だってあのプロデューサーさんですよ。どんなアピールも笑顔でさらっと流して、困ったような目ではぐらかして、どうやっても応えてくれないあの人が、あの人が、アイドルとそんなことをするわけがないんです。絶対に。絶対に。絶対に――!

幸子
「……あ」

以下略



11: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:43:18.40 ID:20TbIrfu0
桃華
「……あの、Pちゃま。お話しがございますの。お時間、よろしいですか?

 はい。最近Pちゃまが事務所を辞めるという噂を耳にしたんですの。どこから流れているかわかりませんが、根も葉もないただの噂ですわよね?

以下略



12: ◆8g8ZKJa8Ps[saga]
2015/08/24(月) 01:44:02.37 ID:20TbIrfu0
櫻井
『会食とはいえあくまでもビジネスの延長。その席で君のカフリンクスはいささか華やか過ぎはしないか』

 そう牽制したお父様に、Pちゃまはニコッと笑って仰いましたわ。

以下略



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