過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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7: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:28:17.03 ID:Kfzyy5RB0
そこは先代の勇者が持ち帰った品々を置いてある部屋だった。
王子が見上げた先にあるのは剣――先代の勇者が魔王を討った時に使ったという代物だ。

使い古された上、製造技術も今より遅れていた時代に作られたその剣は、武器としてはもう使い物にならない。
それでも――
以下略



8: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:29:41.61 ID:Kfzyy5RB0



パーティーは滞りなく進行した。
仲間達(同じ勇者一族の出身で、勇者の親戚)も各々、酒や料理で舌を唸らせ、楽しんでいる模様。
以下略



9: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:30:32.75 ID:Kfzyy5RB0
賢者「勇者さぁ〜ん、どうしたのぉ。そんなしかめっ面しちゃってぇ」

既に酔っ払っている仲間が近づいてきた。

勇者「何でもない。それより賢者、たるみすぎ」
以下略



10: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:31:00.64 ID:Kfzyy5RB0
勇者(私も踊ってみたいけど…)

自分のこの格好では出られそうもない。出られたとしても、男役だ。

改めて周囲の、ドレスを着飾った女性達を見る。彼女らがダンスフロアを舞う光景は、さぞ華やかであろう。
以下略



11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:32:43.77 ID:Kfzyy5RB0
まだダンスパーティーまで時間がある。
勇者はそっとパーティー会場を出た。

勇者(王子、ダンスは出ないのかな?)

以下略



12: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:34:37.27 ID:Kfzyy5RB0
声のした方に目をやると、バルコニーに王子がいた。

勇者(王子……?)

暗くてよく見えないが、他にもう一人いる。
以下略



13: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:35:03.28 ID:Kfzyy5RB0
姫「勿体無いお言葉でございます、王子様」

姫は俯きがちに答えた。

姫「私のような小国の姫は、貴方に相応しくありません。ですから……」
以下略



14: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:35:50.56 ID:Kfzyy5RB0
今の顔を誰にも見られたくなくて、勇者は人のいない場所――先ほど王子と訪れた部屋に向かっていた。
足早に歩きながらも、頭の中でぐるぐると色んな想いが渦巻く。


勇者(王子は――)
以下略



15: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:36:54.66 ID:Kfzyy5RB0
姫『私も、貴方を愛しています……王子様』


勇者(お姫様……)

以下略



16: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:37:37.52 ID:Kfzyy5RB0
カラーン

勇者「あっ」

壁を殴った衝撃のせいか、剣が目の前に落ちてきた。
以下略



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