26:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:25:02.68 ID:wlnW7ggg0
  最初は、プロデューサーも付き添うと言ってくれましたが、断りました。 
  事務所の休憩スペースで、本を読んでいる響に声をかけて、屋上へ誘って――。 
  
  そこで、ボクと、プロデューサーが編んだ手袋を、響に差し出したんです。 
  
27:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:29:10.01 ID:wlnW7ggg0
  響に女子力を教わるなんて、思わなかったよ、って精一杯強がってみましたけど――。 
  嬉しさと安堵感で、涙と鼻水がグチャグチャになっちゃって――へへっ。 
  
  それで、響に習いながら、二人で手袋を編むことにしたんです。 
  プロデューサーにあげるための、飛びっきりにキャピキャピの可愛いヤツを! 
28:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:32:41.26 ID:wlnW7ggg0
  ――そう、あの事務所の壁に掛かっている絵。 
  あれ、ひょっとして――あぁ、やっぱり、雪歩から聞いたんですね? 
  
  千早が、弟の優君のスケッチブックを持ってきて――クレパスも買って来ました。 
  
29:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:35:45.88 ID:wlnW7ggg0
 【3】 
  
  あぁ、いたっ! 
  善澤さん、はいさーい! 
  
30:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:38:27.78 ID:wlnW7ggg0
  うーん、よし、決めた! 
  生っすかサンデーでの、とあるエピソードについて話すことにするぞ! 
  
  えっ? 
  
31:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:42:15.31 ID:wlnW7ggg0
  まぁ良くある、パティシエとお菓子を作って、どっちが売れるかって対決さー。 
  
  ルールだけど、使う材料の費用とか、セットとか、時間とかは全部一緒。値段も一緒。 
  売りに出す制限時間は45分だったかな。 
  
32:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:44:53.09 ID:wlnW7ggg0
  生っすかは生放送だからね、作る工程からやってたら放送時間終わっちゃうし。 
  だから、予めお菓子は作っておいてVTRで紹介して、売る時だけ対決だったんだ。 
  
  相手の人が作ったお菓子は、見た目も本当に色とりどりでキレイで、さすがだった。 
  中継開始前に、コッソリ食べさせてもらったけど、すっごく美味しかったぞ。 
33:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:50:12.00 ID:wlnW7ggg0
  さっき言ったけど、パティシエさんのは、どれも色とりどりで、すごくキレイだ。 
  それだけの工夫にも、パティシエさんは全力を出している。 
  
  それに引き換え、自分のは簡単な――もちろん、自分では不細工とは思わないよ。 
  でも――お客さんからは、どう思われているんだろう。 
34:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:53:08.39 ID:wlnW7ggg0
  ――し、失礼だぞ、善澤さん! 
  自分だって、その、皆からはちょっかい出されて、おバカキャラみたいになってるけど! 
  たまには一人でマジメに哲学する時だってあるんだからね! 
  
  まぁいいや――。 
35:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 15:56:22.48 ID:doK2pRJpo
 おもしろい 
36:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:57:06.93 ID:wlnW7ggg0
  外見や体裁を取り繕うのは、決して悪いことじゃない。 
  人に良く思われたい、人に良い思いをさせたいと思うなら、なおさらだ。 
  
  プロデューサーは、余ったサーターアンダギーを貴音と頬張りながらそう言った。 
  
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