10: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:01.94 ID:OZ5mIP6Co
しばし、朝食を済ませて城内を巡る。
思えば、これは初めての事だ。
かつての七日に始まって、季節の移ろいが人間界と同じとすれば、春頃にこの国へ来た。
そこから夏、秋と過ぎて冬の今、城にいる時はこれまで堕女神がいた。
11: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:26:58.40 ID:OZ5mIP6Co
サキュバスA「……お待ちしておりましたわ、陛下」
書斎の中央にある大机には、すでにサキュバスAがついていた。
机の上には、駒無しのゲーム盤がある。
12: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:27:54.25 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……前のと違うな?」
サキュバスA「ええ。この中央ではなく、西方で用いられているタイプです。私もこれを使うのは久々で、新鮮ですわね」
13: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:28:41.07 ID:OZ5mIP6Co
勇者「……俺、か」
黒の「王」は、勇者自身の姿をしていた。
だがその佇まいは、野蛮さや邪悪さはまとっていない。
14: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:30:21.19 ID:OZ5mIP6Co
サキュバスA「影、猫、闇夜の蝙蝠、淫靡な嘘。サキュバスはそういった概念と切り離せないものでしてよ?」
勇者「その割には、チェスの腕は……単純な俺と互角じゃないか」
15: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:31:49.06 ID:OZ5mIP6Co
勇者「えっ……!?」
サキュバスA「陛下が相手だから使わないのではなく。あの子は、『魔眼』を持っていない。恐らくこれからも体得する事はありません」
16: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:32:32.77 ID:OZ5mIP6Co
――――――――
盤面の上で、山賊が栗毛の女兵士を嬲る。
剛毛に覆われた指が兵士の胸甲をはぎ取り、欠けた短剣がインナーを裂き、最後の一枚までも布きれとして虚空へ舞わせる。
17: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:33:31.91 ID:OZ5mIP6Co
勇者「…………」
醍醐味、と言われても――――あまり見ていたいものではない。
追加ルールを勝手に宣誓されてしまったから、仕方のない事ではあっても。
18: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:35:16.14 ID:OZ5mIP6Co
三秒までを数える間もなく、股間に、外気の涼しさと、糖蜜の蒸気にも似た甘ったるい熱を覚える。
さながら熟達の盗賊の解錠が如く、ベルトが外され、留め具が外され、
ズボンと下着が太ももの半ばまで引き下ろされる。
淫魔の早業は、その事実に気付く事さえも遅らせてしまった。
19: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:36:31.70 ID:OZ5mIP6Co
勇者「やめろ。……今すぐ、やめ……うぁっ!?」
為されたのは、先端への軽い口づけが一つ。
たったそれだけなのに、血流が勢いを増し、海綿体へ一気に血が流れ込み――――硬く絞った布巾のように、屹立してしまう。
20: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:38:07.65 ID:OZ5mIP6Co
彼女の指先が蠢くたびにとろけそうな快感が腰を砕かせ、すでに、下肢は動かせない。
堪えようとするたびに上半身が前に倒れ、今となっては、左前腕すべてを机についてしまっていた。
唇の愛撫は、絶妙なペースでにじり寄るようにペニスを飲み込み、反芻するように吐き出し、
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