過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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24:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:03:01.11 ID:XPXq+b3k0

ここは暴走能力者用の病室だそうで、美琴の四肢を覆っていた鋼鉄の輪は、能力を制限するのと美琴の行動を制限する二つの役目を兼ねていたらしい。
それらが外されると、特に何の支障もなく能力が行使できた。そのことに、ほっと胸を撫で下ろす。

少し体を起こして自分の状態を確認し、美琴は絶句した。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:18:49.56 ID:XPXq+b3k0

それにしても、と思う。
これらは恐らく一方通行と戦った時の傷跡だとは思うが、しかし。

(ここまで、酷かったっけ……?)
以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:20:19.61 ID:XPXq+b3k0

知らなくてはならない。
こうして、「生きてしまっているのだから」。
御坂美琴のような大罪人が息をしていい理由はただ一つだけ。
――実験を止める、ただ、それだけだ。
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:22:25.60 ID:XPXq+b3k0

(……うわぁあああああ……)

途端、言われた直後の感情が鮮烈に蘇ってきて、美琴の頬にさっと朱が入る。
初めてだったのだ。いや、もっと過激に愛を伝えてくる同性の後輩がいるにはいるのだが――異性にあんなことを言われるのは、初めてだった。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:28:07.74 ID:XPXq+b3k0

「まあでも、君が死んでいなくてよかったよ?」

またしても、思考の海で溺れかけていた美琴を掬い上げたのは、医者のほっとしたような笑みだった。
その言葉に、美琴は曖昧に笑い返す。少々ぎこちなかったかもしれない。
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:33:23.47 ID:XPXq+b3k0

「いいね?ちゃんと安静にしておくんだよ?
 君もすぐに無茶をするからね……、治るまでちゃんと寝ておくんだよ?」

診察を終え、彼が真っ先に口に出したのは、そんな「当たり前のこと」だった。
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:34:57.77 ID:XPXq+b3k0
本日の投下はこれで終わりです
訂正 >>28 (もしも、あの子たちを、殺す前にここに運んでこられたのなら)
は、「殺す前に」ではなく「死んでしまう前に」です


31:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/07(木) 17:33:44.57 ID:S6pjT0t2o
こういうの待ってた 期待


32:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage]
2016/01/07(木) 19:46:38.41 ID:V52duNTFO
原作で粥が学園都市に潜入した理由を考えれば、この設定で御坂と接点があること自体おかしいんだが
ついでに言えば初期の粥は保身から御坂本人も殺そうとする小心者だぞ


33:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 20:46:02.32 ID:JH8XbMho0

カエル顔の医者が御坂美琴の病室を出ると、すぐそばのベンチで、エツァリと名乗った少年が静かに座っていた。
彼の顔の内側では、様々な感情が目まぐるしく浮かんでは消え、そして浮かぶ、ということを繰り返している。
まるで水面下で吹き出す、淡い気泡のように。
その感情の味は、苦いのだろうか。少なくとも、甘くはなさそうである。
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2016/01/08(金) 21:02:35.31 ID:JH8XbMho0

「いや、それが僕の仕事だからね?
 むしろ彼女を死ぬ前に運んできてくれたことを、感謝しているよ?」

少年は曖昧に笑った。感謝など受け入れられない、とでも言いたいかのようだ。
以下略



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