過去ログ - 前川みく「ハンバーグが鳴く頃に」
1- 20
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 11:52:26.20 ID:6MxfTFCf0

 二階建ての石造りの壁には苔が茂り、長年の雨風によって風化した屋根や玄関の柱が、
 古くからこの場所に建物が建っていた事を示しており。

 入り口の前に置かれた、メニューの紙が張られたブラックボードがなければ、誰もここがレストランだなんて思うまい。
以下略



18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 11:54:16.66 ID:6MxfTFCf0
===

 からんからんと、入り口の扉につけられた呼び鈴が、意外にも小気味いい音を響かせる。
 
 一歩店内に入ってみると、そこはホールとなっており、タタミ何畳分と言えばいいのか……
以下略



19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 11:55:46.91 ID:6MxfTFCf0
 
「いらっしゃいませお客様。三名様でよろしいでしょうか?」

 その言葉に、隣に立つ彼女が「はい」と返事をする。
 
以下略



20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 11:58:06.37 ID:6MxfTFCf0

「あ、あのさ……ここって一体、どういうレストランなの?」

「どういうって、普通のレストランですよ。あぁでも、少し変わってると言えば、変わってるかも」

以下略



21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:00:22.88 ID:6MxfTFCf0
 
「それじゃあ、私は『闇夜のハンバーグ』で……みくちゃんは、どれにするの?」

「えっ? え、えぇっと、みくは……」

以下略



22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:01:45.78 ID:6MxfTFCf0
 
「――もし決めかねてるのなら、『びっくりハンバーグ』がいいと思いますよ」

 対面に座る彼女が、そう言って微笑んだ。その姿に、みくはドキッとして唾をのむ。
 
以下略



23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:06:25.25 ID:6MxfTFCf0
 
 だが、ハンバーグ自体に違いはない。
 大きさも同じぐらいだし、ソースの色も変わらない……いや、ちょっと待てよ?
 
 どうやら、二つのハンバーグでは、付け合せの野菜の種類が違うらしい。
以下略



24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:11:39.62 ID:6MxfTFCf0
 
「いただきます!」

 そんな事を考えていると、先に彼女がハンバーグを食べ始めたので、
 みくもその声につられるようにテーブルの上からナイフを手に取った。
以下略



25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:12:08.89 ID:6MxfTFCf0

 今度は反対側の手に持ったフォークで、一口大にカットした肉片を、ふーふーとしっかり冷ましてから、口の中へ。
 
 すると肉の風味が、むわっと口の中に広がって、そのまま前歯で噛み切ると、残っていた油が舌を満たす。
 
以下略



26: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/03/22(火) 12:12:55.70 ID:6MxfTFCf0
===

「いかがでしたか、ハンバーグのお味の方は?」

「はい。今まで食べたどのハンバーグよりも、美味しかくて……ほんとにびっくりです!」
以下略



47Res/27.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice