過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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957: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:30:18.91 ID:S6YpyFGu0
 ルーナが属するグループが行うのはこの中央広場周辺、すでに人々が垣根のよう集まり様子を伺っていた。誰もがあの箱の中身が気になっているといった具合である。

「箱の中身、みんな気になってるみたいなの」
「話を聞いてなかったら、気になるわ。それにあたしたち、絶対怪しい集団にしか見えてないだろうし」
「えへへ、でも、みんな喜んでくれたらうれしいの」
以下略



958: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:31:35.78 ID:S6YpyFGu0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ケーキの配布は順調に進み、残りの数もあとわずかほどになる。
 ピエリ監修ベリーケーキも残りが少なくなってくるにつれて、イベントそのものの終わりが近いことがわかり始めてくる。

以下略



959: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:33:49.67 ID:S6YpyFGu0
(……どうしよう。これはちょっとあれよね……)

 無地の物とはいざ知らず、二色に挑戦した故だった。
 でも、ここまできてやり直すというわけにもいかない、なにせ今日は12月24日で、あげる相手の誕生日なのだから。

以下略



960: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:34:56.17 ID:S6YpyFGu0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ルーナ、遅かったの。ピエリの勝ちなのよ」

 蟠りが残った足で撤収を終えて戻ってくるとすぐにルーナを見つけてピエリが駆け寄ってくる。ルーナよりも早く撤収準備を終え、広場で待っていたピエリは満足そうに駆け寄り、勝負が自分の勝ちだと嬉しそうに告げた。
以下略



961: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:36:29.76 ID:S6YpyFGu0
 そうしてピエリはてくてくと先を歩み始める。ルーナが付いてきてくれると確信して後ろを振り返ることもなく。そこには幼い思考特有の信頼があった。きちんと見てくれているという無邪気な思考、それをルーナは裏切れなかった。着替える事無くピエリの後を追いかけて、横に並ぶとピエリは嬉しそうに肩を寄せた。
 二人で歩く街路はどこか寒々しいけど、多くの家々に灯る明かりが照らしてくれているから視覚的には暖かかった。
その暖かさと比例するように隣にあるこの世界の繋がりが近くにあればあるほど、不安がルーナを包み込んでいく。考えなければいいことを考えてしまったと後悔しても、そう簡単に拭えない、それを拭うようにピエリの肩に肩を摺り寄せた。

「はぁ、息が真っ白なの。はぁ〜はぁ〜、えへへ、見てなの。ピエリの息、モコモコ雲みたいで面白いの」
以下略



962: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:38:28.65 ID:S6YpyFGu0
「ぶー、ルーナ、やっぱりおかしいの」
「そんなこと……」
「だってルーナ、ピエリの話真面目に聞いてないの。何か考え事してるの……。何か困ってるなら話をしてほしいのよ。ピエリ、ルーナのお話なら聞いてあげられるの」

 ピエリが右腕に絡みついて上目遣いに聞いてくる。どこでそういうのを覚えるのかわからないけど、同性相手に使うものじゃないとルーナは内心笑った。
以下略



963: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:39:30.05 ID:S6YpyFGu0
 ルーナは知っているから、親は誰しも子供に死んでもらいたくなどないのだと。少なくとも、ピエリはその中に入っているのだと。一緒にお出かけして服を買って、綺麗になる方法を色々と考えて、そして気づけばルーナとピエリの距離はこれほどに近くなっていた。
 だから、その上目遣いの視線も含めてピエリに負けてしまったのかもしれない。ルーナの足は止まってしまった。

「……ねぇ、ピエリ」

以下略



964: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:40:55.71 ID:S6YpyFGu0
「……ルーナ、どこかに行っちゃうの?」
「うん。多分……。ちがうわ、絶対にどこかに行っちゃう。それも凄く遠いところに」

 一度希望的なことを言おうとした。多分とか、もしもの話とか。冗談っぽくしようとして、でもそういう茶化しはしたくなかった。もう決まっている事、誤魔化すにはピエリとの絆は強すぎたから。それがほつれてしまうかもしれない。
告げてからそう考え、怯えて顔を下ろすと真剣なピエリがそこにいた。子供っぽいその顔は、今は真摯に向き合う瞳を携えている。
以下略



965: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:43:28.79 ID:S6YpyFGu0
「抱きしめてるからわかるの。お胸の音もちゃんと聞こえる。ルーナの匂いもする、ちゃんと目の前にいるのに悲しむことなんてできないの」
「でも、いつかいなくなっちゃうって言ってるの、わからないの?」
「ピエリ、ルーナに会ってお母さんのこと色々思い出せたの。お母さんは、ピエリの中にいてくれてるの。でも、それはちゃんとピエリと一緒にいてくれたからなの。いつかルーナがどこかに行っちゃうのは寂しいの。本当はね泣きたいの。でもそしたらルーナ、大泣きしちゃうの」
「し、しないわよ!!!」

以下略



966: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/12/24(土) 12:45:13.62 ID:S6YpyFGu0
 こんなの反則だ。
 あたし、すごくかっこ悪いじゃないの。
 思ったことを頭にのせても、ピエリに本当の意味で慰められてしまったことは違いなくて、その無垢な笑顔をもう一度見るために何度も目を拭った。

「ルーナ、目が真っ赤かなの」
以下略



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