過去ログ - 開かない扉の前で
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821:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:33:44.74 ID:J5LgB8ivo

 中身をすべて床の上に吐き出させると、本棚はようやくわたしの腕でも動かせるくらいになった。
 
 ずらすように横に押すと、やはり、そこには扉が隠されていた。

以下略



822:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:34:23.71 ID:J5LgB8ivo

 ふと、足元を見ると、一枚の写真が落ちていた。

 古い、古い写真。

以下略



823:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:35:23.13 ID:J5LgB8ivo

 そんなことは分からないままだ。

 今までだって、ずっと、そうだ。

以下略



824:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:35:58.42 ID:J5LgB8ivo

 全力で走ってきたつもりだ。

 お兄ちゃんに、お祖母ちゃんに、お母さんに、いつか、認めてもらえる。

以下略



825:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:36:37.39 ID:J5LgB8ivo

 扉の向こうは下り階段になっていた。

 埃と黴の匂いの混じった湿った空気が、地下から吹き込んでくる。
 風の音が怪物の吠える声のように聞こえる。
以下略



826:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:37:25.92 ID:J5LgB8ivo

 一歩踏み出すと、冷たい風がわたしの首筋をするりと撫ぜる。

 身をすくませるような怖気。

以下略



827:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:38:09.29 ID:J5LgB8ivo

「……探した」

 息を切らして、彼はそこに立っていた。

以下略



828:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 00:38:58.68 ID:J5LgB8ivo
つづく

821のgは誤入力です。




829:名無しNIPPER[sage]
2017/10/30(月) 08:16:54.68 ID:B4OfXvSe0
おつです


830:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:18:44.68 ID:lNpLKx20o




「この先なのか?」
以下略



831:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:19:40.83 ID:lNpLKx20o

「ケイくん、待って……」

「待たない」

以下略



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